内容説明
多文化都市トリエステ、パリで見聞した東洋と日本文化、そして多言語はジョイスの作品にどのような影響をあたえたのか。イエズス会の宣教、フェノロサの漢字論、パウンドの夢幻能など様々にアプローチすることで、『フィネガンズ・ウェイク』にみられる日本や日本語との関わりを多面的に読みとく。
目次
第1章 東洋とオリエント―「西と東からのアプローチ」(FW604.26)(『太陽を追いかけて』失われたタイトルページ;アイルランドとオリエンタリズム ほか)
第2章 ショーン・ザ・ポストと東洋宣教―「西が東を揺り起こすだろう」(FW473.22‐23)(ジョイスと東方教会;教育宣教修道会イエズス会 ほか)
第3章 イッシーと東洋趣味の舞台―「踊りながらダンスから帰宅する娘たち」(FW602.32‐33)(踊る娘と父親「ポップ」の創造;『アラジン』の変遷 ほか)
第4章 シェム・ザ・ペンマンと「消えることのないインク」(FW185.26)(エジプト神話と『フィネガンズ・ウェイク』;消えることのないインク ほか)
第5章 『フィネガンズ・ウェイク』の日本語―「もしそれが日本語音ならば」(FW90.27)(一人称代名詞の自己と他者;『フィネガンズ・ウェイク』の日本語研究 ほか)
著者等紹介
山田久美子[ヤマダクミコ]
1953年、東京都に生まれる。上智大学フランス語学科卒業。広島大学大学院英語学英文学専攻博士後期課程中退。アイルランド国立大学ダブリン校英語・演劇・映画研究専攻博士課程修了。博士(Ph.D.,University College Dublin)。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部教授。専攻、アイルランド文学、日米欧文化交流史。著書、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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