実在への殺到

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  • サイズ A5判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784801002784
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

20世紀の思想や文化、また西洋近代の世界観を乗り越えようとする、カンタン・メイヤスーやグレアム・ハーマン、そしてヴィヴェイロス・デ・カストロやフィリップ・デスコラやマリリン・ストラザーン……。彼ら彼女らの思想・哲学と強く共振し、深く共鳴しあいながら、世界に先駆け前世紀的哲学を突破した、著者渾身の評論!

清水高志[シミズタカシ]
著・文・その他

目次

1(ヴィヴェイロス論;交差交換と人間;鍵束と宇宙―ウィリアム・ジェイムズをめぐって)
2(メイヤスーと思弁的実在論;幹‐形而上学について;非・ホーリズム的転回―人類学から現代哲学へ)
3(グレアム・ハーマンについて;機会原因論的アニミズム;モノの人格化―オブジェクト指向哲学と西田)

著者等紹介

清水高志[シミズタカシ]
東洋大学総合情報学部総合情報学科准教授(専攻、哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

39
本を読み終わっても閉じても、閉じた感じがしない本。本書の至るところで私はわくわくしてしまうのだが、それは、本書自体が幹-形而上学であるような一種のカオス的な始まり(プロトタイプ)を見せてくれるからだろう。私がどこまでその予感以上のものに触れているのかは分からないが、特にW.ジェイムズの純粋経験論、西田幾多郎的相互包摂や否定の動的形態である反転的思考(そこには限定と持続が含まれる)が印象に残った。2017/09/01

msykst

12
物凄く大雑把に言って、思弁的実在論、オブジェクト指向存在論、人類学の存在論的転回等々、ここ数年の人文学の潮流は、カント的な主客図式を乗り越えるためにモノと人間の様相(フラットネス)を再考しつつ、主体客体の概念を練り直しているのかと。本書はこの手の話のガイドにもなるのだが、そこに(ラトゥールのANT及び)セールの準-客体論、W.ジェイムズと西田幾多郎の純粋経験論等を接続し、よりラディカルな議論が展開する所が肝かと。これによって多分、主体と客体のそれぞれの流動的な側面が強調されるのかな、とぼんやり理解した。2018/08/30

またの名

8
OOOと言っても仮面ヒーローではなく新しい哲学潮流の略語(翻訳努力放棄)。人ではなくモノ達を主軸にしたメイヤスーやハーマンらの思想を取り上げつつ、古い思想家による補助線が書き込まれる。昔なら主客図式で語られた場面をモノとモノの関係として捉え直す哲学にジェイムズや西田を接合。人間の優越性が消えれば先行のモノまたは経験に後続するモノまたは経験が連鎖していき、ただ事後的に後者が総合や主体と見なされる。一つのモノは多数のモノの結節点に位置し、後者のモノそれぞれもまた多数のモノの結節点で…と二項は交差しつつ複数化。2018/05/22

渡邊利道

3
思弁的実在論、対象指向存在論、存在論的転回以後の人類学など、21世紀に入って本格化した哲学周辺の動向を紹介し、セール、ラトゥール、ウィリアム・ジェイムズ、西田幾多郎と遡って考察する。ポストモダン哲学(ポスト構造主義)にあるホーリズム批判という観点はとても面白かった。ポストモダンはそれ自体創作的だったが、これは凄く「創作の哲学」的。指向としてはけっこう分析哲学的形而上学と似通った部分もあり、自然主義の心理学や経済学などのデータ主義的な思考もおそらくは批判の射程に入るわけだろう。ちょっと構造と力を思い出す。2018/05/15

Taxxaka_1964

2
実際は、文庫ではなくハードカバーで読んだ。 今話題の思弁的実在論についての入門書であり、西田幾多郎の先見性についての驚くほどわかりやすい良書である。 袋状に内部と外部が包摂関係にあることを、超越性にまで敷衍した概念は、人やモノそのもののオブジェクトとしての一元化を図り、世界の新しい見方を示唆するものとして、「世界派存在しない」を予見するものである。 書き手の冷静さと熱い衝動に突き動かされながら最後まで一気に読めた。2018/10/20

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