内容説明
本作では、パリ郊外の団地で暮らす移民女性たちのおしゃべりを通して、家族問題、セクシュアリティ、ジェンダー、宗教問題に直面するムスリム女性たちの声をすくいだす。
著者等紹介
セバール,レイラ[セバール,レイラ] [Sebbar,Le¨ila]
1941‐。アルジェルア人の父、フランス人の母をもつフランス国籍の女性作家。アルジェリア戦争中の18歳からフランスに暮らし、フェミニズム運動や雑誌の編集に携わりつつ、作品を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フランソワーズ
7
パリの郊外にある集合住宅地に住むアルジェリア移民のファティマとその娘ダリラを中心に、近隣のアルジェリアなどの北アフリカ人が集まって交わす”井戸端会議”。例に漏れず、男性優位の社会、偏見と暴力が随所に描かれるが、それを告発しようとする作品ではない。本国ではなく、フランスという”外の世界”で暮らす女性たちならではの逞しさ、ずるさ、したたかさが、時に痛快だ。→2023/09/06
中海
4
フランスに住むムスリム系の家族(主に成人女性)の生活に様子を描いている作品で、やれスカートみじけえ、スポーツをやったらパンツー見えてやいのやいの、といった「誰が悪いんでもないけど、実態はないけどどっかの誰かさんが言っているから」という大義名分的な主張を理由にして、八つ当たりや嫌がらせを行なっているという(いつもの?)作品である。改めて宗教というのは、無知な人間の足かせとなるような呪文を押し付ける詐欺行為だなと思った 2024/02/15