内容説明
イメージとはなにか。自らが不在でありながら、自らの起源でもある、孕まれた即夜。夜の画家たちによって生み出された起源の場面から、イメージになるものを考察する、幻想的な絵画論。
目次
ディードーとアエネーアース
見えない光景
ロトと娘たち
ノアと息子たち
わたしに触れるな
マリー・マドレーヌ
ニュクスとノクス
眠りと夢
ラスコー
ゴルゴダ
聖アウグスティヌスとデジデリオ
地獄
野獣たち
サトゥルヌス
のぞき
アクタイオーンとディーアーナ
マールスとウェヌス
バウボーとデーメーテル
あるフランスの後継
ある中国の光景
世界の起源
絵画の起源
エロースとプシュケー
レアンドロスとヘーロー
最後のイメージ
四番目の夜
これは在るものである
著者等紹介
大池惣太郎[オオイケソウタロウ]
1982年、東京に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。パリ大学(パリ・ディドロ第七大学)博士課程修了。博士(テクストおよびイメージの歴史と記号学)。現在、明治学院大学文学部専任講師。専攻、二十世紀フランス文学、フランス思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qoop
6
起源でありながら必然的に立ち会うことの出来ない、自己の基となる生殖行為。原初に刻まれた他者性へとイメージを膨らませ描かれた膨大な性の絵画群は、不可知性への探求であり限界の追認でもある。そこに魅せられた著者の心性を垣間見る一冊。p47〈わたしが自分を取り巻く空間にこれほど目を凝らすのは、そこに欠けた何かを空くことなき熱情で探し求めているからにすぎない〉。迫ろうとして近づけないものを追う熱意ほど強いモチベーションがあるだろうか。2022/02/03
御庭番
2
どんな内容か知らずに借りて、電車で読んでて慌てた。 性に関することをキニャールがとうとうと語っている本でした。知識がほんとにすごいっ!神話、キリスト教など様々な繋がりを解説していて、エロスの芸術性は少しわかった。が、電車では隣の人がビックリするような絵が多いので開かない方がいいですね(笑) 【図書館で借りました】2021/02/07