内容説明
世俗から自由な牧人たちは愛の本質を熟知しつつも、叶わぬ恋に苦しみ悲喜劇を繰り広げる…観念的韻文と写実的散文、二つの貌をもつ渾身の処女作品。
著者等紹介
本田誠二[ホンダセイジ]
1951年、東京に生まれる。東京外国語大学スペイン語学科卒業。同大学大学院外国語学研究科修了。現在、神田外語大学教授。専攻はスペイン黄金世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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安藤スミス
1
セルバンテスといえばドン・キホーテ。ガラテーアはググっても対してあらすじも出てこないし、有名ではないと思う。 半分くらいは牧歌的な詩が続くので、原語で読まないと多分面白さも理解できないし、そもそも未完。 ただただ時間を浪費しただけのような気もする。最初からドン・キホーテだけにしとけば良かったかな・・・・・・
渡邊利道
1
1585年刊行。牧歌という古代に発したユートピア文学の形式が15世紀イタリアで再興、スペインで新プラトニズム思想のもとに展開したらしい「牧歌小説」。強い友情で結ばれた牧人二人の前にさまざまな人物が登場して恋愛模様をくりひろげる。複数のエピソードが折り重なって、複雑なプロットを交錯させつつ詩と歌合戦が挿入される。ほとんどのエピソードが中途で終わってしまうので「未完かよ!」と叫んでしまったが、ここには愛に安易な解決はないという作者の意図があるのだと解説が言っていて「うーむ」となった。それはどうかと思う。2018/04/10