内容説明
西欧化政策を推進したピョートル一世と啓蒙主義を標榜したエカチェリーナ二世の二つの治世に挟まれた、壮大な謎・未知の領域である“18世紀ロシア”を「プーシキンから始まる」ロシア文学という偏頗な文学史観に疑問を呈しつつ、さまざまな角度から考察する。
目次
プーシキン以前のロシア文学
第1部 近代ロシア文学の形成過程(ロモノーソフの神、デルジャーヴィンの神;ロモノーソフと修辞学的崇高―十八世紀ロシアにおける「精神の高揚」の様式化 ほか)
第2部 文学をとりまく環境(十八世紀ロシアにおける国家と民間習俗の相克―シンビルスクの「魔法使い(呪術師)」ヤーロフの裁判を中心に
十八世紀初頭におけるロシア君主の日常的儀礼とその変化 ほか)
第3部 十八世紀ロシアへの視点(『ペテルブルグからモスクワへの旅』をめぐって―ラジシチェフ・プーシキン・ゲルツェン;ベリンスキーとロシアの十八世紀―「ロシア史」はいかに語られるか ほか)
十八世紀ロシア文学の未来の読者に向けて
プーシキンスキー・ドームの十八世紀ロシア文学研究部門―その歴史と現在
著者等紹介
金沢美知子[カナザワミチコ]
1950年、神戸市生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業、東京大学大学院博士課程単位取得満期退学。東京大学助手、放送大学助教授、東京大学大学院人文社会系研究科助教授を経て、同教授(スラヴ語スラヴ文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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