内容説明
文学・思想・芸術を構成する様々なジャンルやメディア、学知、学校教育といった近代固有の制度のなかで、人間の“生”はいかに媒介され表象されるのか?自伝的エクリチュールと主体の問題から、権力を内包する社会制度と個人の交錯、そしてフィクションをも用いて表現される不定形な“生”を分析することにより、“近代=モデルニテ”を横断的に再考する壮大な試み。
目次
第1部 近代における“生表象”の変容(西洋;日本)
第2部 教育・学知・帰属性(“生表象”と教育制度―日記、作文、手記;“生表象”と近代的学知の生成;“生表象”の主体と帰属性)
第3部 自伝とフィクション(『わが秘密の生涯』を読む―性をめぐる自伝とフィクション;トーマス・マンの自己表象とモデルネ―『魔の山』を中心に;ジャン=ポール・サルトル―生とフィクション;「追憶の計画」―谷崎潤一郎とジョルジュ・ペレックの“自己”構築における記憶とフィクション;オートフィクションと写真―“本物”とは異なる価値観の形成に向けて;北京の日曜日―クリス・マルケルからミシェル・レリスに;“文人”の集合的(自)伝記を書くとはいかなることか?
著者等紹介
森本淳生[モリモトアツオ]
1970年、東京都生まれ。一橋大学大学院准教授(フランス文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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