内容説明
小林秀雄の深淵に潜む「秘密」を突き止める―これまで自明とされてきたボードレールによる小林への影響関係を、気鋭の詩人・文藝批評家が、たゆみない詩作によって培った、鋭い洞察と軽やかな飛躍と精緻な論理によって、見事に反転させ、新たな境地へと踏み込んだ、画期的な小林秀雄論。
目次
二つの「死骸」の間に―ボードレールから伊邪那美へ
1 「『惡の華』一面」論(「象徴の森」の彷徨―詩の隠喩的自己回帰とヘーゲル的「無限累進」;錬金術と無限命題;「有限者」の回帰とパリの街;「その背後に何物も隱さない現象という死の姿」;「創造の理論」)
2 骨と死骸の歌(批評の誕生―「死骸」の抑圧と回帰;「商品の裸形」と言語論―小林秀雄とマルクス;古典論と歴史論―マルクス的反復とボードレールへの回帰;「現實」論―「リアリズム」の逆説;ドストエフスキーと死骸;中也の骨、南京の骨―「物」と言語の一体化とロマン主義的イロニー;死骸、歌、地獄―死骸の言語化)
伊邪那美の死骸と宣長の遺言書
著者等紹介
福田拓也[フクダタクヤ]
1963年、東京都に生まれる。慶應義塾大学大学院博士課程中退。パリ第八大学大学院博士課程修了。博士(パリ大学)。詩人。専攻、フランス文学、現在、東洋大学法学部企業法学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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