出版社内容情報
夫婦と聞くと仲良くお茶でもすすっているようなぬくぬくとした姿が一瞬浮かぶが、実際は生易しいものではない。理解しあえぬまま闘い続ける宿敵が妻であり、夫である。結婚は夫と妻の双方をおびやかす。おびやかしてくる相手に立ち向かうように、小島は繰り返し夫婦を描いた。(平田俊子「解説」より)
小島信夫の全短篇を網羅するシリーズ、第4回配本。
前巻収録作品から引き続き、夫婦の性をさまざまな角度から考究する短篇群の他、長篇『抱擁家族』のための準備期間に書き継がれた多彩な作品群。
男子中学生の同性愛のゆくえをたどる自伝的な異色作「ガリレオの胸像」、『抱擁家族』の前日譚とも言うべき「四十代」などの他、単行本未収録作品「女」「感情旅行」「冷たい風」「家の誘惑」「カフス・ボタン」「弱い結婚」(1966年版)および「鷹」をふくむ、全20篇(1959〜1966)を収録。
目次
女
感情旅行
ある作家の手記
棲処
冷たい風
季節の恋
家の誘惑
洪水
小さな歴史
船の上
カフス・ボタン
或る一日
ガリレオの胸像
雨を降らせる
靴の話
夫のいない部屋
四十代
弱い結婚(1962年版)
鷹
弱い結婚(1968年版)
解題 柿谷浩一
おびやかすもの 平田俊子
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