内容説明
筋肉がどんどん動かなくなる10万人に1人といわれる難病を抱えながら、19歳で起業。左手親指の指先だけで会社経営を行う“寝たきり社長”が貫いてきた生き方の極意。
目次
第1章 人生を変えた衝撃―「僕たちがここまでできるっていうことを社会に証明してやる!」
第2章 佐藤仙務の少年時代―障害は工夫で克服しろ!
第3章 松元拓也の少年時代―障害があっても、できないことだけを誰かに介助してもらえれば、普通なんですよ
第4章 「仙拓」誕生―お客さんに喜んでもらってこそ、仕事となる
第5章 「寝たきり社長」誕生―二人で障害者のイメージを変えてやろう!
第6章 多彩な人脈づくり―人から応援されたければ、まず自分が応援できる存在になれ!
第7章 障害を持った仲間たちのために―障害がキミの武器になる!
第8章 それぞれの道へ―第二ラウンドはそれぞれの道で闘っていこう!
著者等紹介
塩田芳享[シオダヨシタカ]
昭和32年東京都生まれ。医療ジャーナリスト・演出家。成城大学文芸学部卒業。日活・松竹などで映画の助監督を務めた後、フジテレビ・日本テレビ・TBSなどでディレクターや報道番組演出を手がける。医療ジャーナリストとして、医療事故、救急医療、研修医問題、高齢医療、胃ろう問題などに対して、映像演出のほか取材・執筆活動も行う。主な映像作品に、ドキュメンタリー人間劇場『捨てたら終わりや』(ギャラクシー奨励賞、芸術祭参加)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワタナベ読書愛
2
殆ど寝たきり・24時間介護が必要な重度障害者の青年2人が、それまでの「障害者」のイメージを覆し、自ら会社を立ち上げ経営していく様子を追ったドキュメント。テレビ番組を制作する仕事をしている著者が密着した彼らとその関係者たちは、筆者自身と読者の「障害者」のイメージをどんどん更新していく。私も難病患者だが、この本を読むと、まだ自分にもやれることがあるはずだと前向きな気持ちになった。多くの人に勇気を与え、働き方や生き方を改めて考え直す機会を与える一冊。生きている間に何をするべきか?迷ったら再読してみたいと思う。2021/01/24
ナナ
2
自分の中にも障害を持つ方への偏見、というか、過剰な気遣いや理解不足からくる「触れちゃいけないんじゃないか」といった遠慮みたいなものがある。安易に感動するのも変だと思うし。この佐藤社長、そういう偏見や安易な感動じゃないものを感じさせる人なのだろうな。2人の母親の心情は痛いほど分かる。どれだけ心配し、助けてやりたいと思い、ただただ人として自立して生きていけるようにと願う親の気持ち…と思ったら、そこには健常者も障害者もないのですよね。自分の子どもたちも、人のためになることをしたいと生きていける人になってほしい。2018/10/19