• ポイントキャンペーン

歴史新書y
初期室町幕府研究の最前線―ここまでわかった南北朝期の幕府体制

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 283p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800315083
  • NDC分類 210.45
  • Cコード C0221

出版社内容情報

近年の初期室町幕府研究は、若手研究者の台頭により豊富な研究蓄積がある。十四世紀の南北朝時代そのものを扱った通史はたくさん存在するが、初期室町幕府を基軸に据えて、同政権が対南朝で苦戦や試行錯誤を重ねながらも、政権基盤を確立し、発展していく様相を叙述した書籍はほとんどない。本書は、成立から最盛期(義満期)に至るまでの初期室町幕府について、政治体制・地方統治・室町殿義満・寺院政策など、最先端の研究動向を紹介。なお、初期室町期とは、幕府成立から南朝と平行し、義満の時代に幕府が最盛期を迎える時期を指す。

内容説明

「初期室町幕府」は、どの時代を指すのか?十五代続いた幕府の中で、「初期」とは足利尊氏、義詮、義満三代のあたりを指すらしい。実はこの頃が、幕府のもっとも輝いていた時代だった。「歴史の常識」に気鋭の研究者たちが大太刀を振るう。

目次

はじめに―なぜ今、草創期の室町幕府なのか?
第1部 初期室町幕府の政治体制(軽視されてきた軍事史研究―初期室町幕府には、確固たる軍事制度があったか?;主従制的支配権と統治権的支配権―足利尊氏・直義の「二頭政治論」を再検討する ほか)
第2部 有力守護および地方統治機関(初期室町幕府と幕政改革―脚光を浴びつつある「観応の擾乱」以降の幕府政治;三管領の研究史―研究対象は、細川・畠山・斯波氏だけでいいのか? ほか)
第3部 室町殿・足利義満の位置づけ(室町殿の研究史―過大に評価されがちな「義満権力」を再検討する;義満と東アジアの国際情勢―「日本国王」号と倭寇をめぐる明皇帝の思惑とは? ほか)
第4部 初期室町幕府の寺院・宗教政策(初期室町幕府と禅律方―禅院・律院を体制仏教の中心とした幕府の宗教政策;室町将軍家の菩提寺―室町仏教を代表する官寺、相国寺創建の意義とは? ほか)

著者等紹介

亀田俊和[カメダトシタカ]
1973年秋田生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。国立台湾大学日本語文学系助理教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

18
75頁。義満期の重要性は言うまでもないが、近年ではその前段階として、二代将軍義詮の事績も注目を集めている。例えば義詮は武家社会における足利将軍家の権威付けのために北朝を独占的に利用しようとし、天皇の周辺に諸大名が近づく可能性を排除していったという見解が示されている。108頁。半済令。西国の義詮政権が1352年7月、近江・美濃・尾張三カ国の本所領兵糧料所とし、1年に限り守護の軍勢に預け置く権限を認めたもの。同令は佐々木道誉・土岐頼康と義詮を命がけで支え続けた武将の勢力圏にある国々を対象とした点で注目できる。2020/12/13

サケ太

16
初期室町幕府について、非常に詳しいというわけではないし、今までの研究についてもあんまり知らなかった訳だけど、今までのフィルターがかかっていた人物像や室町幕府の実態が徐々に明かされていってる印象。個人的には亀田先生の二頭政治の話や大西先生の「日本国王」号、生駒先生の「武家祈禱体制」は特に興味深かった。掘り下げるともっと色々と出てきそうだが、まだまだ自分の知識不足を実感してしまう。2018/08/28

組織液

14
何回か論稿別に読んできましたが、初めて通読。一通り室町時代を通史的に知った中級者向けの内容ですかね。関東戦国史好き的にはやはり杉山先生の論稿が一番為になりますが、九州なんかもとても気になる…。貞治の政変や康暦の政変でよく出てくる細川派VS斯波派という対立構造に、疑問が呈されているという話はこの本が初見ではありませんでしたが、なんか古今東西の通史に出てくる二項対立的な構造って批判多いよなぁと(閥族派と平民派とか)素人ながら思いましたね。やっぱり二項対立の方が分かりやすいんでよく採用されるんだろうか。2022/06/21

nagoyan

13
優。日本史史料研究会監修の。戦後室町研究を推進した佐藤進一らの通説に対する最新の研究動向を伝える。が、論点を示すに終わっていて、詳しくは別途、それぞれをお読みくださいという感じ。やむを得ないか。しかし、洋泉社のこのシリーズがお亡くなりになったというのは至極残念なこと。2020/08/30

六点

11
最近、イデオロギー的見方から自由になり、一般読書子に身近になり始めた室町幕府、取分け尊氏から義持までの時代を中心に研究の最前線を紹介した『最前線』シリーズの最新刊である。亀田俊和氏や呉座勇一氏等、気鋭の研究者による室町幕府成立期までを多様な側面からわかりやすく紹介している。とはいえ、亀田氏の論文のようにもともと難解ホークスさあ行こうみたいな支配原理のありようの議論などは、若干初学者には難しさを感じさせるものがあった。中世の荒々しさと混沌に惹かれる人は是非読み、興味がある分野の参考文献を読むと良い。2018/08/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12880351
  • ご注意事項

最近チェックした商品