出版社内容情報
「ブラタモリ」効果で、以前よりも暗渠に関心をもつ層が増えている。著者は、暗渠に関しては第一人者と呼べる知識量と認知度を誇る。単なるコースガイド本ではなく、「街の見方」「新しい街歩きの提案」としての、暗渠をとおした東京本。そもそも暗渠に注目すると何が見えてくるのか(わかるのか)という切り口から暗渠の魅力を解説する。
内容説明
暗渠をたどってタイムトリップ!見て愉しい、歩いて愉しい、37点の暗渠3Dマップ付き。待望の『東京「暗渠」散歩』第2弾!
目次
序(暗渠とは何か―景観から空間へ;暗渠図鑑)
1(東京暗渠地図;東京の暗渠空間―多層的なレイヤーとネットワークの広がり ほか)
2(東京の暗渠史―水のネットワークの形成と消滅;神田堀(竜閑川)・浜町川と神田大下水(藍染川)―堀割の開削と埋め立て(千代田区・中央区) ほか)
3(暗渠に残る川の記憶―失われた空間と時間への手がかり;和泉川(神田川支流)―今なお架かる数々の橋(新宿区・渋谷区・杉並区) ほか)
著者等紹介
本田創[ホンダソウ]
暗渠者。1972年東京都生まれ。小学生のころ、50年代の東京区分地図で川探索に目覚め、谷田川から暗渠の道にハマる。1997年より東京の暗渠や水路、湧水などの探索の成果をウェブサイトにて公開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャーリブ
37
ついに暗渠「学」になってしまいました。ふだん読みの本としては、敷居が高すぎるかもしれませんね。都内の暗渠のフィールドワーク・テキストといった感じです。都内20地域の暗渠が取り上げられていて、その現況と歴史が写真入りで詳しく解説されています。自分と関係のある地域があれば、実際に解説や写真を見ながら歩いてみるといいでしょう。著者の言葉を借りれば、「暗渠はいわば、レコードに刻まれた溝のようなもの」。自ら針となってその溝をなぞっていくと懐かしい水の音が聞こえてくるかもしれません。○2022/10/01
雲をみるひと
24
主に東京の西側の暗渠について解説した本。暗渠形成の経緯や用水との関係など総論の記載もあるが、主に個別の事例が紹介されている。従い、暗渠を体系的に捉えた固い本というより散歩のお供に相応しい仕上がりになっていると思われる。2021/07/06
RASCAL
16
暗渠マニアの私ですが、今まで読んだ暗渠の本の中で、一番分量が多くて、マニアックで、難しかった。2017/11/18
ふろんた
6
★★★2018/03/20
アセロラ
5
それぞれの川(暗渠)がいつから水が流れてて、いつから暗渠になって、など歴史の背景が多くありました。写真多めで、こういう普通っぽい道も暗渠なんだ、とわかりやすかったです。暗渠が気になってて3冊目ですが、けっこう難しめというか、最初にこの1冊だったらへこたれてたかも知れません。暗渠本を読むと、色々な事情で暗渠になった場所も、きっと昔は人々の生活や思い出があったのかな、と思うと、毎回切なくなります。2018/12/21