感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
24
『ガールズ&パンツァー劇場版』・『この世界の片隅に』・湯浅政明監督、自分にとって大好物を詰め合わせたムック本。詳細な取材を元にして現実とは異なるアニメならではの世界をいかに構築するのか、その方向性がハッキリした作品が観客を魅了している。その点で、クリエイター達が実写映画からの影響を語っている事が印象的。劇場用アニメの時代の流れも改めて知る事が多く、「テレビアニメを劇場でも流す」から「大人の鑑賞にも耐えうる作品」を経て「劇場体験のムーブメントを利用したマーケティング」へ劇場用アニメは変容している。2017/06/22
ぷほは
3
編集部のまとめた情報よりも、アニメーターや当事者たちの発言がぶっ飛びすぎてて面白い内容である。たとえば片淵監督のインタビューでは『ブラックラグーン』のバラライカというキャラクターの語られざる背景がいかに緻密に設定されていたかとか、弐瓶が語る『BLAME!』インタビューでは「葉っぱとか嫌いで書いてない」「この作品の主役はパイプ」などの意味不明な拘りが聞けて最高だ。80年代、90年代、00年代の劇場アニメ一覧の表も、意外と知らない+見てない作品が多く、大きな流れ自体は分かっていても細かな点のまとめは助かる。2017/05/07
たこい☆きよし
1
『この世界の片隅に』が表紙で、それ目当てに買ったのではあるが、『ひるね姫』『ガルパン』から、アニメ監督のゆりかごとしての『クレヨンしんちゃん』映画まで語り倒すことで、業界内の全体像を浮かび上がらせようとする編集の妙。エディター趣味的に、こういうムックを編集できた人がうらやましい!2018/01/18