内容説明
十数年前、メッシとともに名門FCバルセロナに入団した少年たち―しかし、彼らは将来を嘱望されながらも、道半ばにして、バルセロナを去った。みんな、メッシになりたかった。メッシとともにカンプノウで歓声を浴び、ピッチを駆けたかった―メッシになれなかった少年たちの、その後の知られざる物語。
目次
第1章 メッシになれなかった男
第2章 肉屋の消えない憂鬱
第3章 バディ・ロペスを探して
第4章 あの日の監督の言葉―チャビ・ジョレンス
第5章 フランク兄弟、心の祖国
第6章 思想家はオランダからやってきた
第7章 公衆電話とスマートフォン―マシア寮長の回想
著者等紹介
豊福晋[トヨフクシン]
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、翌年からイタリアでライターとして活動を開始。スコットランド、スペインと渡り歩き、現在はバルセロナ在住。5ヵ国語を操り、欧州各地でサッカーを中心に取材。多数の媒体に執筆、翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒猫
22
リオネル・メッシ。バルセロナの10番、アルゼンチンの10番。彼が、バルサのカンテラ(下部組織)から彗星のごとく現れてデビューしたのが16歳。そのカンテラ時代にチームメートは時が経ち、何をしているのか?チームメートの今を追った本。早熟、鬱病、激しい競争社会。しかし、彼等は普通の13歳の少年だった。彼等はカンプノウの芝を踏めなかった。人生は続いていく。夢破れても。今は給食世話係の元チームメートが寮を抜け出して、星空の下カンプノウの芝生でサッカーをしたエピソードに感動した。メッシは彼らの希望の結晶なんだなぁ。2017/01/03
ゲオルギオ・ハーン
21
名門FCバルセロナの下部組織でメッシと同世代だった少年たちが大人になってなにをしているか、なにを思っているのかを書いた一冊。サッカーについての知識はほとんど必要なく、メッシを知っていれば問題なく読める。他の名門チームの下部組織でもよくある話なのであまり驚きはなかった。ターゲットをサッカーをあまり知らない層にしていると思うので単純にインタビューした内容をまとめるだけじゃなくてもう少し違う切り口や下部組織からトップチームに入れる確率を出して具体的にどれくらい狭き門なのか書いてもよかったと思う。2022/10/07
だいだい(橙)
19
病院の待合室で読了。メッシと同じ時代にバルサの下部組織カンテラでプレーした少年たちの16年後を取材したもの。テーマもだが、著者の突き放した視点がやけに文学的。サッカーを辞めた後の人生だけでなく、カタルーニャのイスラム人口の多さや、一方で少しバルセロナから離れると奥深い田舎があったりと、様々な角度から風土が描かれているのがいい。一人一人が歩む違う人生。カンテラでうつ病になってしまった少年もいれば、辞めて第二の夢を追いかけ、キラキラしている男もいる。最後に出てきた匿名の警察官の話が印象的だった。2016/12/06
*
15
FCバルセロナの育成組織"カンテラ"で、レオと同じ球を追いかけたOBたちの行方を追うノンフィクション。ハードボイルド小説を思わせる乾いた文体ながら、時折にじみ出る人情味がたまらない。サッカーそのものが、世界を駆ける群像劇。 2023/05/01
青猫ノラ
2
10数年前にメッシと一緒に、FCバルセロナに入団した少年達のその後の話。サッカー選手と精神的問題の関係や、子供を介して親が夢をみているとか興味深い記述も。