内容説明
少年刑務所、女子少年院などの知られざる実態―「綾瀬女子コンクリ事件」「栃木リンチ事件」の主犯たちのその後―そして、少年院関係者たちは、元少年Aの『絶歌』をどう読んだのか…
目次
序章 1977年―“サムの息子”事件を追ってニューヨークへ
第1章 世間を震撼させた少年事件
第2章 少年事件はどのようにして裁かれるのか
第3章 函館少年刑務所「実習船」同乗記
第4章 凶悪事件の主役たち、獄中での素顔
第5章 犯罪に手を染めた少年たちのその後
第6章 華麗なる転身―犯罪者から弁護士へ
第7章 塀の中が抱える問題
著者等紹介
斎藤充功[サイトウミチノリ]
1941年、東京都生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スパシーバ@日日是決戦
108
{2016年} 1997年、14歳という年齢で「神戸連続児童殺傷事件」で関東医療少年院に入院し治療を受けていた少年A(6年4カ月後に社会的復帰し、11年後に「絶歌」を出版)もさることながら、1998年「綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件」の主犯格(2013年振り込め詐欺で逮捕)や、1999年「栃木リンチ殺人事件」の主犯格(無期懲役)と同房だった人物の証言や、「函館少年刑務所」「松山刑務所・大井造船作業場」における受刑者の様子など読み進むにつれ複雑な心境。「罪を償う」って何を基準に判断したら良いのか..。2016/03/24
ゆみねこ
72
うーん、ちょっと期待はずれだったかも。少年院のあり方が、あまりにもゆるいのに驚いた。被害者の痛みに全く寄り添っていない現行の少年法のあり方には、やはり疑問を感じます。2017/07/19
鈴
47
タイトルや帯の文章は、少々大袈裟というか、期待させたわりには…うーん。とてもとても期待していたので、期待外れ感がすごい。唯一、「女子高生コンクリ事件」と「栃木リンチ事件」のそれぞれの主犯の話が興味深かった。2017/03/04
澤水月
37
コンクリ主犯の愛読書が菜根譚、論語、韓非子!…同施設だった大人談。著者が75歳になることに驚愕、「サムの息子」事件を現地で取材しているし「サレジオ高校事件」で出て後弁護士になった「元少年」に直撃していることにも仰天。テレビ出演し廃業せざるを得なかったとも知らず。少年院収容者が皆愛読しているのがモチーフとされている東野圭吾『手紙』! 実習で乗船し船舶の資格を取ることができる“船上少年院”!1977とはいえ収容施設で少女たちの話聞くのも凄い。1万人を超える老人受刑者の2割が要介護…想像以上に激しい書物だった2016/03/14
のんすけ
29
今まで読んだ中ではしっかりと取材されているルポでした。筆者の長年おっているテーマでもあるらしく、取材した年がかなり前のものもあるが、多分今もそんなに変わりはないと思う。記憶に新しい少年事件を犯した少年たちの姿を周りの人から浮かび上がらせると、普通の少年達との差があまりないのがわかる。少年事件は家族との関係が深く関わっているようだ。もっとこの先も読んでみたかった。2016/12/31