内容説明
知られざる「日本スパイ秘史」世界各国に送り込まれた一〇〇人を超える元スパイたちの証言。盗聴・盗撮、贋札工作、阿片工作、暗殺計画…正史に記録されることのなかった“秘密工作”の数々。日本にも、本物の“諜報員”たちがいた…!
目次
序章 インテリジェンスの歴史をひも解く
第1章 中野教育の神髄
第2章 秘録―卒業生たちの肉声
第3章 中野学校と登戸研究所―“密接不可分”の関係
第4章 “スパイ・マスター”と呼ばれた男
第5章 「阿片工作」から「マッカーサー暗殺計画」まで
第6章 「私は下山暗殺チームの一員でした」
第7章 受け継がれた中野の遺伝子
著者等紹介
斎藤充功[サイトウミチノリ]
1941年東京都生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y2K☮
44
柳広司「ジョーカー・ゲーム」はエキサイティングな創作である。中野学校卒業生はれっきとした軍人だし、柳氏自身が「ワルキューレ」で触れていた様に現実のスパイ活動はあんなに華麗ではない。偽札作りや阿片密売に絡み、要人暗殺みたいな血腥い計画にも顔を覗かせる。ただ「謀略は誠なり」「生き延びる諜報員は優秀である」等の哲学は重なるし、いかにも漫画チックな秘密インキやステッキ型の偽装拳銃などを登戸研究所が実際に作っていたのも驚き。下山事件との関わりを知りたいし、結城中佐のモデルであるスパイ・マスター秋草俊の本も読みたい。2016/11/05
Y2K☮
34
再読。たぶん中野学校の卒業生や関係者には優秀な諜報員が多数いた。しかし当時の軍には彼らの技術や頭脳を十分に活かす土壌がなかったのではないか。一方でイギリスはドイツ軍のエニグマすら解読し、その事実を終戦まで悟らせなかった。あと最新技術よりもヒューミント(人間を媒介とした情報)という著者の提言はひとつのヒントかもしれない。兵器やテクノロジーが最新鋭で有効な情報が揃っていても、結局問われるのはそれらを扱う人間の能力。陰謀論めいたデマとデマじゃない科学的なデータを混同しているどこかの国の某デジタル大臣に言いたい。2022/12/28
マリリン
28
暗号解読の演習がラジオから流れるピアノ演奏だったとは。中野の教育が求めた“個としての資質”というのは、当時の“天皇・国家に忠誠を尽くす”世情とは異なる。心の隅にあった当時のロシアとの関係の一端を知ることができた。行方不明なった卒業生たちの行方・下山事件との関わり・受け継がれた中野の遺伝子の項は感慨深い。未だ手記が完結しない、全てを書き残したい...と語った卒業生は96才。読みながら思わず落涙した。中野は語らず...も、全てを書き残す意思からも、“誠”の精神を感じた。著者が長期にわたり調べ記した本作も。2023/02/18
河合晋輔
6
久しぶりに一気読みしました。市川雷蔵主演の映画『陸軍中野学校』でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。関係者の取材をそのまま載せているので、通史ではなく携わった人の肉声の記録です。終戦後GHQに協力した人、朝鮮半島出身の卒業生が北朝鮮に関わっていたこと、そして戦後最大のミステリーと言われた下山事件との関連など、戦後の中野学校出身者のことが記させれていることが興味深い点でした。2015/11/18
たぬきち
2
中野卒業生を見つけるだけでも大変であるなか複数人にインタビューを行い当時の文書も発見。さらに新たな発見に辿り着く。まるで小説のようである。実際、真実は分からないことが前提にあるが一歩踏み込んだ齋藤氏の仮説。主観的な意見も聞いてみたかった。マッカーサー暗殺を中止した理由は新聞に発表された=情報が漏れたからだということだが反米テロが起きなかったことはそれだけが理由なのか。現代のアフガンやイランと比べればアメリカによる日本の戦後統治は異常なくらい優秀である。私自身それに関心があるのだがまだ明確な答がない。2017/02/05
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