内容説明
北海道新幹線が開通!沿線は松前氏の領地と重なる?松前氏は、アイヌとの交易で莫大な富を得た「武装商人」だった!秀吉に「蝦夷島主」を認めさせた松前慶広の“秘策”とは?「開拓史観」に変更を迫る「松前(蛎崎)氏」六百年の歴史!
目次
第1章 中世蝦夷地の支配者―安藤氏の時代
第2章 蝦夷地支配者・蛎崎氏の勃興期―武田信広の時代
第3章 蛎崎氏の勢力拡大と「謀略」―蛎崎光広・義広の時代
第4章 安藤氏からの「独立」へ―蛎崎季広の時代
第5章 最北の藩「松前藩」の成立―松前慶広の時代
第6章 江戸時代の松前氏―松前崇広ほかの時代
著者等紹介
新藤透[シンドウトオル]
1978年、埼玉県生まれ。筑波大学大学院博士後期課程図書館情報メディア研究科修了。博士(学術)。歴史学(日本近世史)、図書館情報学専攻。現在、山形県立米沢女子短期大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mahiro
7
和人が蝦夷地に住みついたのは結構古い、藤原三代の頃から蝦夷地に基盤を築き交易していた。義経が平泉を逃れて蝦夷に渡ったと言う伝説もその下地があっての事。本書は蝦夷地に勢力を伸ばした武士達がが様々な抗争を経て松前藩を成す歴史が描かれているが、近世に至るまでアイヌの勢力は強大で和人の国主は常に脅えながら共存していたとか、(勿論抗争もあった)石高のない松前氏を『武装商人』とした所が面白かった。2016/02/15
BIN
6
類書がほとんどない北海道(といっても渡島半島)の戦国時代をメインとして中世安藤(本書では安東とは書かれてない)から幕末までの松前氏を解説してくれてます。アイヌとの関係や松前氏が如何に成り上がったかよくわかりました。謀略の人松前氏なだけあってか身内争いが大変。アイヌとの交易や金山で儲けていたことや米が取れないから石高もなしだし、幕末では外様ながら老中にもなっている世渡り上手さ。主人公にはなれない松前氏だが十分興味深い大名?でした。おすすめ。2024/01/20
あまたあるほし
4
松前氏が、若狭武田と無関係という衝撃的な事実が……まさか、松前目線の戦国史が読める日がくるとはなぁ。と、感動しました。2016/02/07
富士さん
3
農業収入に頼らない商業大名という松前氏の歴史に興味を持ったので、入門として手に取りました。出自としても独自の立場を主張し、ある種の日系蝦夷人としてのアイデンティティの下日本とアイヌの間に立って特色ある地位を占めた松前氏と、青森も含めたその関係者たちの歴史が見事に描かれており、とても刺激的な内容でした。アイヌとの関係も丁寧に描かれており、文化人類学や考古学中心のアイヌ史に物足りなかった者としてはとても満足です。まだまだ魅力的なテーマだと思うので江戸時代の歴史やこの地域の生活史もこのノリで書いてほしいですね。2020/11/03
Minoruno
1
タイトル通り、明治以前の北海道の歴史を松前氏の歴史を通して描いている。若狭武田氏という出自の真相や、安藤氏の被官という立場から大名として独立していくまでの過程、アイヌとの関係性など断片的な知識からイメージしていた前近代の北海道の印象をかなり変えてくれる。とりわけアイヌとの関係は松前氏が最初から一方的な侵略者というものではなく、互いの利害関係によって時に共存、時に対立しながら交易の相手として徐々にその関係性が変化していったというもので、単純な支配者-被支配者の関係ではないという点は結構ポイントになると思う2016/09/21
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