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歴史新書y
耳鼻削ぎの日本史

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800306708
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0221

出版社内容情報

中世から近世にかけて、実際に行われていた「耳鼻削ぎ」。その残虐極まりない行為はなぜ行われたのか?まつわる謎を解き明かす。

内容説明

平安時代から戦国期にかけての日本では、刑罰として、また戦功の証明として、耳鼻削ぎが広く行われていた。中世の日本人が耳と鼻に託していた象徴性を解き明かしつつ、実際に各地の耳塚・鼻塚を訪ね、伝承の真実に迫る。

目次

はじめに 耳塚・鼻塚の伝説を訪ねて
第1章 「ミミヲキリ、ハナヲソギ」は残酷か?
第2章 「耳なし芳一」は、なぜ耳を失ったのか?
第3章 戦場の耳鼻削ぎの真実
第4章 「未開」の国から、「文明」の国へ
第5章 耳塚・鼻塚の謎
終章 世界史のなかの耳鼻削ぎ

著者等紹介

清水克行[シミズカツユキ]
1971年生まれ。立教大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、明治大学商学部教授。専攻は日本中世史、社会史。NHK『タイムスクープハンター』の時代考証(中世)なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

51
平安から戦国期に多々存した耳鼻削ぎ。その象徴性を各地に見る塚と共に実証。同類解説の繰り返しがあり、やや中怠み。が終章は手触りあり。秀吉統治で中世から近世に。江戸期となり緩んだ幕藩統治で影を潜めたが…質実剛健藩では残った→一例は会津、相馬。野馬追は平安期から。仮想敵に仙台藩を据えての風習が。近世から現代ではリンチとして 残った削ぎ…新選組。あえて未開な刑罰を残したアナクロニズムに見える当組織の本質。近代ではチベット、アイヌ(辺境ユーラシア社会)等貫通刑で使われた。面白かったのは古代…大陸を模す社会文化が近世2024/01/16

空猫

30
戦場で戦利品として耳や鼻を削ぐという逸話はよく聞くが。「耳なし芳一」芥川の「鼻」はなぜ「耳、鼻」だったのか。死刑>耳鼻削ぎ刑、だったはずが秀吉から(?)「見せしめ」へ。朝鮮出兵は無謀なだけでなく非道な出来事だった。悪法「生類憐れみの令」の意外な効用…こういう意外な観点から読み解く歴史はとても興味深いし、ここまで話が広まる事も舌を巻く。そして分かりやすく読みやすい。2019/06/10

リキヨシオ

27
耳鼻削ぎ…現代人は想像すらしたくない行為。ただ耳鼻削ぎの意味と歴史的な価値観にはとても深い関わりがある。江戸時代までは、刑罰としての耳鼻削ぎと大将以下の首の代替としての耳鼻削ぎがあった。特に刑罰としての耳鼻削ぎは「女性に対する刑罰」が一般的で耳鼻削ぎ自体が残虐な刑罰ではなく死刑を免れる温情的な宥免措置として考えられていた。女性の他に僧侶や非人にも刑罰としての耳鼻削ぎが行われている。戦国時代では豊臣秀吉の朝鮮出兵での耳鼻削ぎは壮絶を極める。時代と価値観の違いに衝撃を受けつつ色々と勉強になるとても面白い1冊。2015/11/05

fseigojp

19
著者は藤木久志の弟子で中世研究が専門。山上憶良の貧窮問答歌がパクリで、慶安触書も偽書!中世(1275)の和歌山の荘園からの告発文には耳そぎ鼻そぎすると威嚇されたとあるが、これは本物みたい。本刑罰は、平安時代前期までは中国・朝鮮にならい廃れたが平安前期から復活し、当初は僧侶や女性への刑罰や死罪減免刑だったのが戦国時代に頂点を迎え、そして徳川体制の確立とともに衰退し綱吉時代に、ほぼ廃止された。中国では隋に廃止され明で復活したという。なお、耳塚鼻塚の由来は疑わしいものが多いというが、秀吉の耳塚は本当だそうで。2015/08/04

ぽんすけ

18
タイトルからして結構な衝撃なのだが、わが国における耳鼻削ぎがどういった意味を持ったのかということを論じた本。まず前提として中世において人の命がとても軽く扱われていたことが注意すべき点ではないかと思うのだが、それを踏まえた上での死刑に準じる刑としての位置付けと捉えても良いと思う。又当時女性や僧侶を殺害することを忌避する風潮があり、死を免じる代わりに耳鼻削ぎの刑を科したという側面もあったとのことだ。現代人の私達から考えれば耳鼻削ぎなんて滅茶苦茶残酷な刑罰だと思われるが、中世の人々にとっては死刑を免じる2025/04/07

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