怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち (増補新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 394p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800306159
  • NDC分類 778.8
  • Cコード C0074

内容説明

差別・犯罪・初恋・忘執…四人の作家が怪獣に託した“孤独”を“痛み”とともに体験し直す渾身の力作!四万字を超える増補!伝説の名著、ここに完全復活!

目次

1 金城哲夫―永遠の境界人(未来の記憶;光の子 ほか)
2 佐々木守―永遠の傍観者(ハヤタからイデへ;世界の風景化 ほか)
3 上原正三―永遠の異邦人(断層;鬼 ほか)
4 市川森一―永遠の浮遊者(夢見る力;他人の星 ほか)
増補 テレビを消したら、僕が消える?(テレビという怪獣;子どもたちに向けて書いていた ほか)

著者等紹介

切通理作[キリドオシリサク]
1964年東京都生まれ。文化批評。和光大学卒。編集者を経て1993年『怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち』(宝島社)を著わす。映画、コミック、音楽、文学、社会問題をクロスオーバーした批評集を刊行。また映画作家研究として『宮崎駿の“世界”』(ちくま新書/のちに増補し文庫化)でサントリー学芸賞受賞。2013年12月より、日本映画全批評メルマガ『映画の友よ』(夜間飛行)配信中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Bugsy Malone

43
カバーにある、夕陽に浮かび上がる怪獣の影を見上げる、ランドセルを背負った少年。その少年に自分自身を重ね合わせ読み始める。しかし、そんなノスタルジックや裏話的な内容ではない事にすぐに気付かされる。四人の作家達がシナリオに託した「想い」。そこには、差別、疎外感、故郷、思想、そして願いが詰まっている。常に痛みを伴いながらそれらを読み取って行く。そしてその向こうには、もう一つの「ウルトラマン」の物語が見えて来る。2015/05/17

まえすとろ

31
1993年、宝島社から刊行された「怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち」から22年の歳月を経て、88ページにも及ぶ新たな検証記事を加えた「増補版」。テレビ界の発展期、日本経済の高度成長、安保闘争、沖縄返還、オイルショックなど「昭和」という時代の激しい流れの中で戦中、戦後を生き抜いてきた経験を元に≪ウルトラマンと怪獣が居る世界≫を通して、日本という国の「有り様」をこれからを生き、未来を築いてゆく力となる子供達にメッセージとして発信し続けた脚本家それぞれの人物像を通して作品思想を検証した空想怪獣譚の批評書。2015/05/11

がんもどき

7
リアルタイムでウルトラマンを観ていた世代の著者が、シナリオライターに接触してウルトラマンに込められた思いを探る。それまで前例のなかった怪獣ドラマを作るうえでどういう意図を込めて作られたのかの裏話が語られていて興味深く読ませて貰った。初期のウルトラマンを観ていた世代には刺さるんだろうなと思う。戦争や沖縄が思ったよりドラマに関わっていることがわかる本だった。2022/01/09

天使の奇跡

3
表題は、ウルトラセブンシリースの中の一作品の題名。内容覚えています。悲しい切ない話。 ウルトラマンの作家が、どんな思いで、書いたが分析されています。皆さん戦前生まれの戦争体験者、うち2名は沖縄出身。いろいろ考える本でした。ブースカが、イグアナだったこと、お荷物小荷物の背景など、知らないことたくさんありました。新装版で読みました2017/01/14

WS

2
とんでもなく分厚い重厚な本で、読みきれるか心配だったが、内容の濃さに魅了されすんなり読了できた。特に市川森一さん、金城哲夫さんの章は印象的だった。断絶された現実に理想を投げ掛けた金城さん。現実をそのまま投げ掛けた佐々木さん。怪獣使いと少年の上原さん。ハッピーエンドの話を用いず、福音を与え続けた市川さん。特撮批評の最高峰とも言える作品。2021/04/10

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