内容説明
光秀には納得できないこと、信長にキレた理由があった!信頼できる史料から心に秘めた「叛意」に迫る注目の書!
目次
第1部 将軍義昭・信長と光秀(信長と義昭の上洛;京都の光秀;第一次信長包囲網;将軍義昭の追放)
第2部 信長・光秀と畿内衆(義昭の天下から信長の天下へ;第二次信長包囲網;光秀の与力大名;織田政権の確立と光秀;本能寺の変;山崎の合戦;人間光秀の虚像と実像)
著者等紹介
谷口研語[タニグチケンゴ]
1950年岐阜県生まれ。法政大学大学院人文研究科博士課程単位取得。現在、法政大学兼任講師。専攻は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
9
明智光秀という人物の姿を、現時点で最も有力な史料を元に、織田信長の後半生と重ねて再構成した一種の研究書というべきか。本のオビの愚劣なほどに的外れな文章に落胆することなく読みたいもの。謀叛の原因についてよくわからないとしながら、「光秀が堪忍袋の緒を切ったのは(P189)」とほぼ確定したように書いているのがちょっと不可解。とはいえ、現代の信長研究の一つとして読む価値はある、かな。2014/11/11
我門隆星
3
書籍を出すとき、帯の文句は著者本人が考えたり編集が考えたりすることがある。編集が考える帯の文句で「すばらしい」ものもあれば、どうしようもないタコなものもある。本書は「タコ」の部類であろう。そもそも190ページの「これが光秀がキレた理由であっただろう」の一文で、本文の内容から乖離した扇情的な文章をひねり出すのだから。書籍自体はそれほど悪くない。著者が「はずれくじでは」と危惧するほどの悪書というわけではない。ただし、残念ながら、万人に勧めることのできる良書からもほど遠い。2014/10/16
るな
2
大河ドラマ「麒麟がくる」の明智光秀が、至極真っ当な考えを持つ好人物過ぎて何だか嘘っぽい。光秀の実像を知りたくて本書を手に取る。信用できる文献を忠実になぞっているようで、事象の不明な部分は不明のままなため、点と点がつながらないもどかしさが残る。筆者が想像で穴埋めすることを避け、あくまでも事実を叙述することを徹底しているからだろう。それゆえ、万人受けには程遠い本で、次々に登場する人物の立場や関係性を把握するのが難しかった。「本能寺の変」後、盟友が光秀に加勢しなかったその理由をせめて分析してほしかった。2020/06/14
寺月誠司
2
正直帯は詐欺。本書は淡々と事実を述べてるので面白くもない。それでも明智光秀が実際にどのような行動を行なっていたのかはわかりました。正直解説が少ないのでいまいちわからないことは多かった。おそらく本書だけを読んでもいまいちわからないので副読本として読むのが一番だと思う。本書を読んでの感想としては、ある意味当たり前の明智光秀像が出たというのが正直なところ、実務能力と近畿地方での外交能力が高く自分からアピールするのが上手いため信長の元出世(勢力を伸ばし)した人である。そして野心がある人。2018/01/21
とし
2
明智光秀が歴史の表舞台に立ってから、本能寺の変を起こし、滅ぼされるまでの十数年の行蔵を、一次史料をたんねんに追いながら概観し、そこから光秀の人物像に迫ろうというという意欲作。本能寺の変の裏側を追求することはあえてしない、と言い切って、確定できそうな史実のみ追う姿勢は好感が持てる。2014年時点での明智光秀研究の到達点です。2014/05/28