感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シブ吉
80
いとこの「映画を観に行くよ」の言葉に二つ返事でついて行った幼少時。長い前振りのあと、時計台の場面で男の腕が飛んでいた。学校のチャイムの様な音色が止まり、バーンとタイトル『女王蜂』が登場、子供心にトラウマとなった金田一映画とのこれが初遭遇でした。しかし、幼くして、その危うい魅力に取り付かれてしまった事は確かです。横溝ブーム真っ只中だった当時、土曜の夜10時には「横溝正史シリーズ」が高視聴率を叩き出し、書店に行けば黒地に緑の文字に釘付けでした。本書はそんな金田一好きの方にはたまらない一冊です。2014/01/02
HANA
50
映像化された金田一耕助特集。個人的には石坂浩二や古谷一行のイメージが強すぎて他の金田一は想像できないが(八つ墓村だけは別)、これを読んで様々な金田一が存在することを教えられる。片岡千恵蔵版の詳しい内容や聞いたこともなかった高倉健版等、教えられる事が多い。ただスーツを着て拳銃振り回す金田一とか、今現在だと想像もできないよなあ。また改変が付き物の横溝映画だが、各作品のどこがどの様に改変されたか。の対比も興味深かった。関係者のインタビューを含めて資料性も高く、金田一ファンなら是非とも抑えたい一冊。2014/04/07
エドワード
25
「犬神家の一族」が公開された時、私は中学二年生。まだ一人で映画館へ行ったことがなかった。<怪奇と幻想の世界>と銘打たれた角川文庫にははまった。初めて観た映画は「女王蜂」。かつてゴジラや桜田淳子の映画を観た映画館、二時間半の映画は迫力満点で、佐々木剛、石田信之、小林昭二等特撮のヒーロー俳優が出演していて驚いた。次の「病院坂の首縊りの家」では桜田淳子が主演で、金田一映画は百花繚乱となる。民俗学的な妖気、乱歩に通じるレトロ昭和、深い愛。絢爛たる日本の美が横溝正史の魅力だ。松本清張とともにその魅力は褪せない。2014/02/27
ぐうぐう
23
これはいい! 金田一耕助シリーズの映像作品のガイド本なのだけれど、映画はもとより、ドラマ版、コミカライズ(JETへのインタビューが嬉しい!)、さらには角川文庫のカバー絵を手掛けた杉本一文までフォローするという、その網羅ぶりが素晴らしい。金田一耕助を演じた役者23人を紹介してる企画は楽しいし(石坂金田一は定番で安定感はダントツだが、俺は『悪霊島』の鹿賀丈史が結構好きだったりする)、原作を映像作品ごとに比較しているのも実に興味深い。(つづく)2015/08/02
ともひろ
22
石坂浩二、古谷一行の金田一から稲垣吾郎の金田一までカバーしてて、資料として面白い。茶木みやこまでくると、かなりマニアックだなと思うが、加藤武が亡くなった今となっては、どんどん貴重になってくるかも。2016/01/24




