内容説明
日本最大の仏教教団・浄土真宗の全体像を理解するには、二つの視点が必要だ。一つは、宗祖・親鸞が生きた十三世紀（鎌倉時代）という時代。もう一つは、本願寺教団の中興の祖・蓮如が生きた十五世紀（室町時代）だ。時代を反映し、親鸞は原理主義路線、蓮如は大衆伝道路線をとった。この二つの路線を抱え込み、その時々の時代の動きや政治に柔軟に対応してきたことが、現在の本願寺教団の大勢力を形成する原点になった。浄土真宗の魅力的な教え・特徴・歴史を分かりやすくコンパクトにまとめてみました。
目次
第１部 「親鸞」の生涯とその教え（親鸞が生まれた頃の「末法の世」って、どんな時代？；親鸞は貴族、藤原北家の末裔！？どうして出家したの？；親鸞は比叡山でどんな修行をしていたの？ ほか）
第２部 身近な浄土真宗とその特徴（本尊；お経；仏壇とおつとめ ほか）
第３部 日本史の中の浄土真宗（鎌倉時代；室町・戦国時代；安土・桃山時代 ほか）
資料編 親鸞と浄土真宗
著者等紹介
山折哲雄［ヤマオリテツオ］
１９３１年、サンフランシスコ生まれ。岩手県花巻市で育つ。宗教学専攻。東北大学文学部印度哲学科卒業。駒沢大学助教授、東北大学助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同所長などを歴任（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
57
【Q&Aで宗祖の教えと宗派の特徴・歴史がスッキリわかる！ 山折哲雄先生監修の「あなたの知らない仏教宗派別シリーズ」第一弾！】2013年発行の、浄土真宗の教え・特徴・歴史をＱ＆Ａ形式で紹介した新書。カラー口絵。巻末に資料編として、浄土真宗年表や参考文献など。山折師は「はじめて」で、＜親鸞の原理主義路線と蓮如の大衆伝道路線／その二つの路線複合的に抱え込み、その時々の時代の動きや政治の変化に柔軟に対応する形で、今日の本願寺教団の大勢力と浄土真宗の思想的な基盤が形成されてきたと言っていいだろう＞と。⇒2024/02/16
のし
16
小説「親鸞」を読んで、歴史について興味を持ちました。親鸞と、その後の浄土真宗について色々書いてあり、とても勉強になりました。南無阿弥陀を他力というのか…当時は革命的な布教だと思いました。2014/12/29
かず
15
「あなたの知らない宗祖・仏教宗派シリーズ」中、親鸞と浄土真宗をまとめたものです。わずか190ページで親鸞のこと、中興の祖 蓮如のこと、浄土真宗の特徴など、重要な事柄が網羅されており、概要がつかめます。私は本著に依り、以前感じていた日本浄土教への否定的な見方が、法然、親鸞といった宗祖の深い思索の淵に届かず、常識的な見方に留まっていた為だったと、改めて自覚しました。今は日本浄土教の教え≠悟りという認識が覆り、法然や親鸞の教えに徹することができれば、悟りと同義ではなかろうか、とおぼろげながら感じています。2016/05/14
kawasaki
5
「ご冥福を祈ると言わない」「香典袋に御霊前と書かない」「般若心経を読まない」など、他宗と大きく異なる実践の理由がよくわかる。知らない人にもわかりやすく書かれ、全体的には好感なのだが、親鸞に始まる巨大な教えの流れを「コンパクトにまとめる」苦労が見て取れる。同シリーズの「法然と浄土宗」から先に読んだのだけれども、比較して第3部の歴史節がやや駆け足の印象。紙幅の都合で省かざるを得なかった点や、まだ生々しすぎて書けない点（お東さん騒動とか）も多々あるのだろうなと憶測。2014/01/06
toto99
5
信心さえあれば念仏の回数は関係ない。「信不退」よりも「行不退」偏ってしまった仏教に対する反省があったんだなあ(^_^) 蓮如は浄土真宗だけでなく、日本史に与えた影響も大きかったのですね(^◇^;)2013/12/30
