出版社内容情報
第5回ネット小説大賞受賞作! 中華平原に名を馳せる強国・禍国(かこく)。有力な武人である父を持ちながら、側室の母から産まれたゆえに“戸籍を持たない”少年・真は、争い事を避けて書庫に引き篭もる日々を送ってきた。――が、突如王から大任を命じられる。それは<覇王の宿星>を持つと言われる皇子・戰の初陣に番犬として同行し、勝利で飾ること。巻き込まれた厄介事に頭を抱えながら、皇子への謁見に臨む真だったが、そこにいたのは、皇子とは思えない人懐っこい笑みを浮かべる青年で……? 昼行灯の<覇王>と、隠れた才を持つ地位無き少年が出会う時、運命の歯車は廻り出す。
内容説明
中華平原に名を馳せる強国・禍国。十八年前、“覇王”の宿星を持って生まれた皇子・戦は、柔和な物腰で謀略渦巻く王室を生き抜いてきた。―同じ時、ある“稀有な才”を持ちながらも戸籍を持たぬ故に人扱いされず書庫に引き籠もる少年・真は突如、皇帝より大任を命じられる。即ち皇子・戦の番犬として尽くし、彼の初陣を勝利で飾る事。昼行灯の皇子と、地位無き少年が出会う時、世を統べる王を目指す戦いが幕を開ける!
著者等紹介
喜多村やすは[キタムラヤスハ]
岐阜県出身。2017年、『覇王の走狗』で第5回ネット小説大賞受賞。同書を改稿・改題した、『皇華走狗伝―星無き少年と宿命の覇王』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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凛
44
「覇王」の宿星を持って生まれた皇子・戰と側室腹ゆえに戸籍を持たず、人として扱われることのなかった少年・真が出会ったところから始まる中華ファンタジー。設定はありきたりなところもあるけれど、飄々としていて何とも味のある主人公な真を始め、登場人物が個性豊かなのがいい。個人的にはこれから好敵手になるだろうと思われる剛国の王・闘と、真の幼な妻・薔姫がお気に入り。これから先、その知恵でもって真はどこまで戰の力に、支えになれるのか。まだまだ話は始まったばかりという感じなので、続きが出てくれるといいなあと思う。2018/02/28
よっち
37
中華平原に名を馳せる強国・禍国。十八年前、「覇王」の宿星を持って生まれた皇子・戰と、人扱いされず書庫に引き篭もる少年・真が出会ったことで運命が変わってゆく中華ファンタジー。兵部尚書である父の側室腹として生まれたがゆえに戸籍を持たなかった真が、皇子・戰と出会ったことで得た転機。生い立ちが影響してか多くを望まず怠惰になりがちな真が、それでも戰のため、訳ありの幼き妻・薔姫のために智謀を活かして自らの奔走し窮地を打開していく展開は、登場人物たちもよく動いてテンポも良くなかなか面白かったです。続巻も期待しています。2018/01/22
あゆみ
29
★★★★★ 中華ファンタジーに惹かれて購入。戸籍を持たぬ故に人扱いされず書庫に引き篭る真の、めんどくさがりで飄々とした態度ながらもその知識と知恵から繰り出される策で勝利を収めるキャラがお気に入り!真の妻となった薔姫の一生懸命な姿もかわいい!剛国王の闘が真の頭の良さを見抜き気に入って配下に欲しくなる展開も好み。上手く行き過ぎて展開に緊張感が欠けると感じたり、くどい言い回しや常に怒鳴り散らしている真の父親の優に辟易することもしばしばあるが、設定やキャラが魅力的なので続編希望!2018/01/14
きょん
26
ライトな中華歴史ファンタジー。目立たず人生を過ごすことを命題としていた筈が、戰皇子と出会ったことで表舞台に出ざるを得なくなっていく主人公が飄々としていてユニーク。まだまだ端緒に付いたところと思われるので、続編出るなら読みたいな。2018/01/23
アカツ04号
18
積読消化。側室の息子故に戸籍を持たない真と、王族だがその宿星故に表立つ事が出来ない皇子戰が初陣に出る所から始まる中華ファンタジー。戰皇子がいつ覇王の宿星を発揮するのか期待していたが、それ以上に色々ぽんこつな印象が強くて…。ただ、椿姫に対して諭した国としての王の在り方がその片鱗なんだろうかね。最後の、机上の空論しかないと理解していながらも己の信念を語る真の言葉には心打たれた。周りの国にもう少し知識ある人達がいればもっと面白かったかなぁ。次あると良いな。(11/6-10)【2020-20】2020/11/10