出版社内容情報
靖國神社に爆破予告が届いた。犯行声明に記された犯人の要求は〈A級戦犯の分祀〉〈竹島と尖閣諸島の領有権の放棄〉〈慰安婦と徴用工への賠償金の支払い〉の三つ。14日間以内に日本政府が応じなければ靖國の本殿を爆破するという。犯行は反日団体の手によるものなのか。未曾有の事態に世情は混乱、ネットは炎上し、日韓関係は一触即発の危機に。公安警察は犯行グループへの関与が疑われる重要参考人として、対馬出身の大学生・清水に目をつけるが――。国の在り方、個の在り方を問うサスペンス!
内容説明
靖國神社にドローンが落とされた。そこには靖國本殿の爆破予告と“A級戦犯の分祀”をはじめとする要求が記され、日本政府は14日間のタイムリミットを突きつけられる。反日グループの犯行が疑われるなか、公安警察が重要参考人として目をつけたのは対馬出身の日本人大学生・清水。そして迎えた爆破予告当日、さらなる恐怖が日本を襲う。公安警察はその威信をかけ、靖國爆破を阻止するため奔走する!
著者等紹介
八木圭一[ヤギケイイチ]
1979年、北海道十勝生まれ。横浜国立大学経済学部国際経済学科卒業。雑誌編集者を経て、現在はコピーライター。第12回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『一千兆円の身代金』(宝島社)にて2014年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
2Tone
7
題材が、靖國神社での内容となっており、靖國神社の歴史と言うか、戦後の日本の政府の関係とか、あまり詳しくなくても、読みやすい内容になってます。靖國神社の爆破予告に、犯人の目的、時代背景、近隣諸国等、別の側面も分かり易い仕上がりになってます。2018/07/15
シアン
7
前半は日韓問題の議論が多く、小説調の問題提起なのかと思ったが、後半から一気に事件が動きだし警察小説っぽくなった。日韓問題は両者言い分があると思うが、本作に限って言うならば、もう少しこの議論を減らした方が読者がそれぞれ考える端緒となったのではないかと思う。続編がありそう。2017/03/28
菜
4
日韓問題に詳しくなくても、背景についての情報が多いので、ストーリーを楽しみながら自然と知識を得ることが出来ました。勝手にタブーのような意識がありましたが、靖国の背景や双方の主張など、日本人として知っておくべきだと感じます。記者・公安・被害者の立場から、事件の真相が徐々に明らかになっていき、事件を通して三者が少しづつリンクしていきます。2019/01/19
ドットジェピー
4
日本が直面している問題がよくわかる内容だと思います。2016/10/31
ガバキン
3
靖国、公安、特定機密保護法、右、左、シールズ…様々な要素が入り混じる本作。爆破テロ予告を民間人(大学生)、公安刑事、新聞記者の3視点から追っていく大筋に加えて、先述の意見を登場人物間で議論する場面が多々ある。苦手な人は苦手ではなかろうか。若者と老人の世代間の認識・日本人と韓国人の文化の違い、左右どちら寄りの考えか…人が分かり合うには様々な壁がある、個人的にはそれを再認識する内容だった。主観的ではなく客観的に物事を見らねばならない。2016/10/31