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宝島社文庫
血の季節

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784800258564
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。事件は40年前、東京にさかのぼる。戦前の公使館で、金髪碧眼の兄妹と交遊した非日常の想い出。戦時下の青年期、浮かび上がる魔性と狂気。そして明らかになる、長い回想と幼女惨殺事件の接点。ミステリーとホラーが巧みに絡み合い、そして世界は一挙に姿を変える。『このミステリーがすごい!2014年版』の企画「復刊希望!幻の名作ベストテン」第2位の名作がついに復刊。

内容説明

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。事件は40年前の東京にさかのぼる。戦前の公使館で、金髪碧眼の兄妹と交遊した非日常の想い出。戦時下の青年期、浮かび上がる魔性と狂気。そして明らかになる、長い回想と幼女惨殺事件の接点。ミステリーとホラーが巧みに絡み合い、世界は一挙に姿を変える。1982年発表。復刊希望が相次いだ、幻の名作がついに復刊。

著者等紹介

小泉喜美子[コイズミキミコ]
1934年、東京都生まれ。都立三田高校を卒業後、ジャパンタイムズに勤務。63年、『弁護側の証人』でデビューし、以降ミステリーと歌舞伎に関するエッセイ、評論で健筆を振るう。85年、事故により急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nuit@積読消化中

129
本屋で平積みされていたので偶然手に取りました。それまでこの作家さんを知らずにおり、なんと損をしていたことか。青山墓地で発生した幼女惨殺事件の犯人の奇妙な独白。時代設定、登場人物、事件の内容等々、シチュエーションが素晴らしく、ハマってしまった。80年代に書かれた作品ということもあり、この時代の作家さんの文体が好きな私には大変満足です。しかしながら、これのオチはミステリーかホラーとどちらにもとれますが、個人的にはホラーとしたいです!2017/05/17

青蓮

106
タイトルからして興味を唆られる本作は復刊希望が相次いだ幻の名作だそう。読んで納得の物語。帯にあるように「吸血鬼+サイコパス+警察小説」の呈を成す物語で、読んでいてかなり新鮮でした。青山墓地で起きた幼女惨殺事件の背景にある犯人の子供の頃の回想ーー夢と幻、現実と虚構、真実と嘘、正常と異常、それらが曖昧に溶け合っていてラストまで目が離せませんでした。明かされる真相も見事。新しい吸血鬼小説の形。ただ「警察小説」にあたる部分が何となく肩透かしと言うか、物足りなさがあったのが少し惜しい気がしました。でも楽しめました。2016/10/01

キャプテン

86
★★★★☆_「帰ってきた!クソ女イヤミス小説大賞」第五弾。幼女惨殺事件の犯人の独白パートと、事件を追う警察パートが交互に展開されるミステリー。犯人の動機を解明するために必要な《伝説の仮説》は、現実と虚構の狭間を揺蕩う。登場人物の個性の強さ、時代背景から読み手を選ぶ作品かもしれない。クソ女研究家キャプ博士コメント【1982年刊行ですか。イヤミス第一人者と言えるかもしれませんね。吸血鬼型蠱惑系クソ女……といっていいものか…。クソ男の方は太宰治の人間失格の彼に似てましたね。言葉の雰囲気がですが】なるほどですね〜2016/11/16

HANA

81
戦中の東京、謎めいた「お城」、金髪碧眼の兄妹。斯様な舞台設定だけで、個人的には成功は約束されたものだと思う。昭和五十年代に起きた幼女殺人事件と戦前の体験が交互に語られるスタイル。幼女殺人事件と捜査は余談のような形で語られるだけなのでミステリとして読んだ場合は物足りないが、告白で語られる黄金時代とその残滓が兎に角素晴らしい。明かされる現実的解釈は何となく予想がついたが、そこからもう一度引っ繰り返された所が嬉しくなってしまう。三津田信三の某シリーズみたい。長い間読みたかった期待に応えてくれた一冊でした。2016/08/21

JKD

78
狂人と正常人のあいだを彷徨う幼女殺人犯の回想が、そもそもの動機とどう結びつくのかとにかく不可解だった。しかしラストは博士による回想内容の分析によりすべてが納得いくものになっていた。ここまで緻密に仕組まれていたとは驚きでした。幻の名作と呼ばれるのも納得できます。2016/09/11

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