出版社内容情報
第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉作品の本作は、“白いどんでん返し”です! 僕が大学とバイトを終えてアパートに帰宅すると、部屋の前に見知らぬ美女がしゃがみこんでいた。女は華子と名乗り、かつて交わした約束のために会いに来たと告げる。僕にそんな約束をした記憶はないものの、それからなし崩し的に彼女と同棲生活を送ることに。次第に華子へ魅かれていく僕であったが、彼女は難病に侵され、あとわずかな命だという。ともに過ごす時間を大切にする二人。しかし、彼女にはまだ隠された秘密があった――。
内容説明
僕が講義とバイトを終えてアパートに帰ると、部屋の前に見知らぬ女がしゃがみこんでいた。彼女は華子と名乗り、かつて交わした約束のために会いに来たという。なし崩しに同棲生活を送ることになった僕は、次第に華子へ惹かれていくが、彼女は難病に侵されていて、あとわずかな命しかなかった…。ともに過ごす時間を大切にする二人。しかし、彼女にはまだ隠された秘密があった―。
著者等紹介
才羽楽[サイバラク]
1983年生まれ。第14回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として、『カササギの計略』によりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハッシー
222
【七夕伝説の終わり方】天の河を隔てて光る織女と牽牛はやがて寿命がやって来て、最期に今までで一番大きな光を放って消えてしまいました。しかし亡くなった時に放出されたガスは宇宙空間を漂い、新たな星が生まれるエネルギーとなりました。一緒になれなかった二つの星は天の河の小さな星となっていつまでも光り続けるのでした。 ▶︎これは結ばれない二人の物語。2016/10/23
雪風のねこ@(=´ω`=)
154
有川浩著作っぽいラブコメだねーと読み進めていて、僅かな違和感を憶えたという所で、ミステリーの常套句だなと思って心臓が蹴躓いた(莫迦)後は急転直下と言って良い程の見事な反転ぶりである。思えば車内の冗長過ぎる会話も、愛情の定義も、予め組み込まれたものであったんだな。自殺を思い留まらせたのは間違いなく彼女である。であるからこそのギター男との会話なのである。カササギとは勝矢の事では無く。勿論華子でも無くタンポポでも無く。誰かが誰かのカササギになるのだな、と思った。これ位のミステリーが自分には合っている。2017/07/24
おかむー
112
今年の『このミス』隠し玉“ホワイトどんでん返し”という触れ込みは、結論からいえば「そぉかぁぁ?」だけどハズレではない…だが惜しい。もうすこし寄りの『よくできました』。「冴えないの主人公のもとに、ある日見知らぬ美女が転がり込んできた」使い古された感もある導入から主人公・岡部が戸惑いながらも彼女の秘密も含めて受け入れ惹かれてゆく部分はラブストーリーとしてよい感触。けれど物語の核心となるどんでん返しはまるで“ホワイト”ではないし、それを覆すには結末があまりに弱い。染め直すにはもっと鮮烈なラストでないとなぁ。2016/07/17
うっちー
90
これはこれで面白かったけど、次回作は真っ白などんでん返しを期待してます2017/01/20
ちょこまーぶる
72
悲しい感情と柔らかい感情が交差した一冊でした。難病の華子が子供の時の約束を実現する為に岡部君に会いに来てからの愛しい日々には、実は隠された秘密が・・・という感じですが、天の川伝説もペースに流れてて、とてもファンタジックでした。だけど、深い感情を読めなかった僕には、華子の弟の行動には少し身勝手で彼女の感情を弄んでいるとしか思えなかったので反感を持ち、そこまでする意味が解りませんでしたね。でも、ラストには僕にとっての救いがあり、これからの二人がどうなっていくのか?ベンチに座っていてくれ・・・と呟きました。2022/06/04
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