出版社内容情報
シリーズ累計1000万部を超えるベストセラーとなった「チーム・バチスタ」シリーズの『イノセント・ゲリラの祝祭』が新装版になって登場します。東城大学医学部付属病院4階。万年講師の田口公平は、いつものように高階病院長に呼ばれ、無理難題を押しつけられようとしていた。「お願いがありまして…」そう言って取り出した依頼状の差出人はあの火喰い鳥、白鳥圭輔。厚生労働省で行われる会議への出席依頼だった――。新装版刊行にあたって全面改稿した田口・白鳥シリーズの第4弾です。
内容説明
不定愁訴外来の万年講師・田口は、いつものように高階病院長に呼ばれ、厚生労働省主催の会議に出席するよう求められる。依頼主は、厚生労働省の変人役人・白鳥。指名を受けた田口は、嫌々ながら日本の行政の中心地、霞ヶ関に乗り込んだ。しかし、そこで彼が目にしたのは、警察と司法の思惑が飛び交うグズグズの医療行政だった―。大人気「バチスタ」シリーズの新装版第4弾!
著者等紹介
海堂尊[カイドウタケル]
1961年千葉県生まれ。医師、作家。2006年、『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)で第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともくん
59
今まで読んだ、桜宮サーガシリーズの中では、1番小難しい話。 医療と法律。 医療と行政。 二人三脚で歩まないといけないのに、仲の悪い両者。 どこまで、歩み寄れるのか、それとも、仲違いするのか。 今現在も、問題になっている、医療事故など、考えさせられる。2019/03/27
禅
23
シリーズ4作目。舞台は病院を飛び出して東京・霞が関の厚生労働省。田口先生は白鳥によって「医療事故調査委員会創設検討会」の会議に巻き込まれて行く。官僚と言えば会議!で、会議で何が決まったんだ?少し難しい話だった。2025/06/18
Yobata
22
バチスタシリーズ第4弾。新装版で再読。今回の舞台は霞ヶ関で、医療ミステリというより現在の医療行政の言及。昼行灯田口がついに霞ヶ関進出かと思いきや、後半メインの会議ではスカラムーシュ彦根の独壇場だったよね。関係各省庁の官僚達が利権を守るための発言を繰り返すが、医療現場の最前線の医師達が監察医制度等の医療問題を浮き彫りにし、医療行政の崩壊の危機を訴える。彦根の登場で、これからバチスタシリーズは利権を巡る官僚対現場の物語になっていき、今作はその序章かな?ミステリ部分はなかったけど考えさせる一冊ではあった。2016/05/07
LUNE MER
18
厚生労働省内でのゴタゴタに田口が巻き込まれる話。白鳥の本拠地であるにも関わらず個性的なキャラが続々と登場するので白鳥の存在感がさほど突出していないという異常事態に陥っている一冊。官僚に対する不信感しか湧いてこないストーリー展開なのだが、読みながら逆に日本の官僚の優秀さ(うちら庶民が官僚の恩恵を受けていること)を味わうことの出来る作品も読んでおいとこう(でないと思想偏りそう)とも感じた次第。2024/09/13
さくさく
13
バチスタシリーズ第4作。医療リソースの制約から解剖にまで手が回らない現況にメスを入れる議論が勃発し、解剖とAiはどうあるべきか俎上に上げられる。10年以上前の話しながら現実感があり、死因不明で亡くなった患者をコストがかかるから解剖しませんで片付けていいのかという問いに対する答えは難しい。生きている患者に医療費を割くべきで死者にはおざなりの診断で構わらないというのも問題だし、亡くなったら医療は何もしませんというのもおかしい。中間的な解決策を見出すのが医療と司法の今後の課題である。2022/04/09