出版社内容情報
2016年第14回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作は野球ミステリーです! 28年前、八百長疑惑をかけられてみずから命を絶った伝説の左腕投手K・M。四半世紀後、行方不明になっていた1500奪三振の記念ボールが発見されたのをきっかけに、彼を再評価する動きが広まる。作家の芹沢真一郎は、K・Mの伝記を書くべく関係者たちのもとを取材して回るが、彼にまつわるエピソードにはいくつもの謎があった。誤審に抗議した相手チームの監督はなぜ急に引き下がったのか。Kと同室だった男はなぜ異変を無視したのか。そして、八百長疑惑の真相は?
内容説明
二十八年前、八百長疑惑をかけられてみずから命を絶った伝説の下手投げ投手K・M。四半世紀後、行方不明になっていた千五百奪三振の記念ボールが発見されたのをきっかけに、彼を再評価する動きが起こる。作家の芹澤真一郎は、K・Mの伝記を書くべく関係者たちのもとを取材して回るが、彼にまつわるエピソードにはいくつもの謎があった。誤審に抗議した相手チームの監督はなぜ急に引き下がったのか。発見された記念ボールは本物なのか。そして、八百長疑惑の真相は?2016年第14回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
大津光央[オオツミツオ]
大阪市出身。ミュージシャンとしても活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
91
野球ミステリーは好きな分野でストーリーとしては悪くないのですが、兎に角読みにくい、時間がかかって仕方なかった。主役が誰なのか、わたしなのか、KMなのか芹澤なのか、主眼や場面がころころ変わり誰が誰について話しているのか情景が浮かんでこない、結局彼は何故死んだのか何が真実か、往年の名投手の自殺と八百長疑惑の謎はというわりにあまりミステリーを読んだ気がしなかった。2016/04/27
fwhd8325
28
プロ野球が舞台。そして八百長疑惑のあった投手を巡る物語。これほどタイムリーで興味を引きつける作品はないんじゃないかなと思う。そして冒頭の著者のメッセージは、この物語への興味を最高潮に持って行ってくれました。それが、この掴みにくく、ある意味捕らえどころのない物語を最後まで読み切らせてくれました。ミステリと言うよりは純文学的な作品だと感じます。なかなかページが進まずヤキモキしましたが最後で何とか帳尻が合ったような印象です。2016/05/10
shoko
21
野球ファンでありミステリーファンでもあるのでかなり期待して読んだのですが、どうにも私の理解力が追い付かなかった。読了して尚、考え込む。作品の構成が非常に難しく、読んでいる間にワクワク感をすでに失ってしまいました。残念。2017/10/08
クボタ
17
本の装丁と題名は読みたいと思わせる。読むと評価は全く異なる。読み辛かった。最後になったら分るかと思いながら読んだが、残りわずかになってまた分らなくなった。これがこのミスの優秀作か?私が読解力が無いからだろうか。2016/08/30
たこやき
17
20年以上前、キャンプ中に自殺した投手。彼を巡り、関係者へのインタビューと周辺の出来事という構成で進む。誤審、乱闘、八百長……などのエピソードが短編形式になっており、積み重ねることで投手の人間性がわかる、というのは◎。ただし、取材をしたライターは既に死んでいる、ということになり、書き手は誰だか不明。しかも誰だかわからない一人称視点でのエピソードなどが加わることで非常に読みづらさ、理解しづらさを作っている。と、同時に結局、投手の死の真相などはイマイチわからないのでモヤモヤと……2016/04/30