出版社内容情報
20世紀が遺した巨悪・ヒトラーの台頭から破滅までを、本人の101の言葉とともに振り返ります。議会制民主主義がとられていた当時のドイツにおいて、計算し尽くされたスピーチとプロパガンダで合法的に政権を奪取していったヒトラー。その仕掛けに満ちた言葉を分析することは、現代社会における反面教師として大きな意義があります。また、ヒトラーの台頭を許した当時の世界情勢も合わせて解説することで、歴史的経緯もわかる内容になっています。
内容説明
250万人のナチ党員を熱狂させ、6000万人のドイツ人と国家を破局に導いた煽動政治家の言葉と狂気―。政治プロパガンダの罠に陥らないための現代人必読の書。
目次
01 煽動(大衆操作;プロパガンダの魔法 ほか)
02 熱狂(民族共同体;ペンより剣 ほか)
03 闘争(ユダヤ人;国民財産の奪還 ほか)
04 偏狂(反ユダヤ主義の目覚め;歴史教育 ほか)
05 愛憎(父母について;愛国教育 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
14
独裁っていうのも、気をつけないと外堀を埋める様に既成事実化されてしまうかもね。2024/11/08
おおたん
11
サクッと読めました。ヒトラーの政策や演説について知ることができます。ヒトラーの手法である導き方や誘導、国民に対してのプロパガンダの手法は、今にも通じるところがあると感じます。反面教師として、また歴史を繰り返さないため、さらには、メッセージを伝えるためのいい方法として参考になりました。ヒトラーの言葉の紹介とその時の時代背景や経緯が書かれています。歴史に興味がある方は、サクッと読めますので、読んでみてもいいと思います。2021/05/23
surf
1
プロパガンダの技術や、方向性は違えど熱量、策略は、良くも悪くも高いレベル。大衆に耳を傾け、民主を取っていたら世界は違う方向を…しかし、青年期から独裁主義で、多数派理論を否定していたのであれば難しい。ヒトラーの行動や招いた結果は許されるものではない。図書館の本。2025/03/18
コホーー
1
独裁者の思想が理解できる本書。中でも、①大衆には理屈より感情に訴え、単純化したスローガンを繰り返して心理に植付ける、②大衆の受容能力は限られており、その理解能力は小さく忘却力は大きい、③群衆は意志の強い人の言葉に耳を傾ける傾向が強く、繰返し断言された言葉により批判能力がマヒし、暗示を受けやすくなる、④大衆は哀願者より支配者を好む、⑤支配される人間が何も考えていないのは政府にとって幸い(大衆は思想を持たない)、⑥普通選挙・民主主義の否定、⑦「平和のための戦争」等相手の印象を操作する二重語法が印象的でした。2018/07/08
入江・ろばーと
1
まえがきの「ヒトラーの言葉を読み返すと、不思議な既視感にとらわれる。私たちが生きている現代の日本には、『一億総活躍社会』『日本を取り戻す』……といったポジティブな言葉が溢れている。閉塞感が蔓延する現代の日本に行きる私たちにとって、ヒトラー的なプロパガンダの手法は、決して無縁なものでないだろう」という記述。強引感が否めないのは自分だけ?2016/07/31