内容説明
新しく赴任した滝昇の指導のもと、めきめきと力をつけ関西大会への出場を決めた北宇治高校吹奏楽部。全国大会を目指し、日々練習に励む部員のもとへ突然、部を辞めた希美が復帰したいとやってくる。しかし副部長のあすかは頑なにその申し出を拒む。昨年、大量の部員が辞めた際にいったい何があったのか…。“吹部”ならではの悩みと喜びをリアリティたっぷりに描く傑作吹部小説シリーズ第2弾。
著者等紹介
武田綾乃[タケダアヤノ]
1992年、京都府生まれ。現在は京都府内の大学に通う大学生。2013年、第8回日本ラブストーリー大賞隠し玉作品『今日、きみと息をする。』(宝島社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
199
最後の本番までの怒涛の流れからの結末が一気に読まされた。みぞれのトラウマもあそこで決着出来たのもタイミング良かったなと思える。次は全国大会優勝行けるかな?2020/10/25
さてさて
189
『誰だって、勝ち進みたいという気持ちはあるに決まっている。だけどその気持ちが報われる人間は、ほんの少ししかいない』。関西大会本番を目指して日々の練習に明け暮れていく『北宇治高校吹奏楽部』の面々の姿が描かれていくこの作品。そこには、それぞれの個性がぶつかり合う高校生の青春が描かれていました。繊細な内面の吐露に息を呑むこの作品。鮮やかに描写される演奏風景に、誌面から音楽が流れ出すこの作品。「響け!ユーフォニアム」シリーズはやっぱり面白い!この作品世界にいつまでも浸っていたいと心から感じる素晴らしい作品でした。2024/12/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
106
関西大会がメイン。前作で触れられていた前年の1年生大量退部の話が明らかになっていく。イイ感じで終わりいざ全国へ。2016/12/24
黒瀬
87
一年前の部員大量退部騒動の当事者、傘木希美が再入部を願うことによって吹奏楽部、特に彼女と親しかった鎧塚みぞれを混乱に陥れる。それでも関西大会が目前に控えているため障害になりえる可能性を持つ存在を排除しようとする田中あすか副部長。そして当事者達の問題の解決。部員の様々な思いが錯綜しながらも時間は残酷に進んでいき、読者にも焦りを感じさせ、ハラハラドキドキしながら読めました。結果が報われて良かった。
南北
76
関西大会への出場が決まり、次の全国大会出場を目指してさらに練習を積み重ねていく吹奏楽部のメンバーたちの姿を描いている。そんな中、去年上級生と対立して退部した二年生の希美が吹奏楽部への復帰を申し出るところから何があったのかを解明すべく久美子が乗り出していく。一見不可解な言動が先輩たちの話を久美子が聞いていていくことで少しずつ真相が明らかになるところはおもしろかった。3巻も続けて読んでいこうと思う。余談だが京都でも二人称に「自分」を使うのがわかったのが興味深かった。2022/11/11