内容説明
98歳を迎えたいま、伝えなければならないことがある―。中国戦線での初陣、悔しさをかみしめた真珠湾攻撃、艦隊上空を護衛する最後の一機として見た空母「飛龍」の炎上、血に染まるガ島の空、「おっかさん」と呟いて逝った戦友、「あんたが死んだら私も死ぬ」と泣いた妻、特攻、そして、散華していく教え子たち。零式艦上戦闘機(ゼロ戦)誕生から飛び続けた、最後の歴戦搭乗員が語る、零戦と戦争の真実の記録、そして未来への伝言。
目次
第1章 大空を夢みて
第2章 それでも翔けたい
第3章 戦場へ飛べ
第4章 零戦の初陣
第5章 最後の直掩機
第6章 最後の戦いへ
第7章 神風は吹かなかった
第8章 地上から見える景色
著者等紹介
原田要[ハラダカナメ]
大正5年、長野県生まれ。昭和8年、海軍に志願。昭和10年、横須賀航空隊、航空兵器術練習生を経て空母「鳳翔」乗り組み。昭和12年、操縦練習生35期を首席で卒業。同年、第一二海軍航空隊として中国に進出。昭和16年、空母「蒼龍」に乗り組み、真珠湾作戦では上空直掩隊として艦隊上空を警戒。セイロン島空襲で初撃墜を記録。昭和17年、ミッドウェー海戦に参加。ガダルカナル島の戦いで空戦の末に不時着、重傷を負うが九死に一生を得て帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
19
とても読みやすく、内容も良かったです。多くの人に読んで戦争について考えてもらいたい1冊となりました。原田さんが優秀なパイロットっだったのも、ご本人の負けん気が強い性格や、入隊当初からの上官がとてもすばらしい方ばかりだったことが大きいと思います。坂井三郎さんとのエピソードや、原田さんが関行男大尉の教官を務められていたことが驚きです。関大尉が素晴らしい人物だったのも改めてわかって良かったです。ミッドウェー海戦、何度聞いても悔やまれる戦いです。戦死された方が、必ずお母さんを思って最期を迎えるシーンが悲しいです。2015/12/26
Mikarin
4
「大空のサムライ」等類書と比べサラッと読める。戦時下で負傷すると、重傷者よりもケガが軽くて戦闘に復帰しやすい軽傷者から優先して治療していく、何故なら将兵も兵器の一部だと言う軍医の言葉は重たい。2016/01/05