内容説明
JR山手線で最も乗降客が少ない駅、鶯谷。広大な寛永寺の墓地と駅を挟んだ反対側は都内有数のラブホテル街で、風俗産業の最先端スポットとなっている。入り組んだ路地には正岡子規の終の棲家や初代林家三平の生家、夏目漱石が通った料理屋が今でも残る。この特異な街はいかにして生まれたのか。その歴史と地理的背景、男女の肉声を採録。生と死が隣り合わせる鴬谷の不思議な魅力を描く。
目次
第1章 陰と陽の街を歩く
第2章 「鶯谷発」韓デリの魔力
第3章 人妻の聖地―鶯谷
第4章 吉原と鶯谷
第5章 鬼門封じと悦楽の地
第6章 秘密は墓場まで
第7章 鶯が谷を渡る
著者等紹介
本橋信宏[モトハシノブヒロ]
1956年4月4日、所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。ノンフィクション、小説、エッセイ、評論等、幅広く活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@the_booby
54
色々な意味で駅も街も人もディープなところだ。山手線の駅とは思えない異質な駅前。ねぎし三平堂に行ってみたいわ~。鶯谷を語るには風俗は外せないのだろうけど、もっと違った話もあるのではないか。まぁとても為になるお話も多かったと小さな声で言っておきます(^^;2019/02/28
クラミ♬
31
ディープな街、鶯谷。表紙に惹かれて読んでみた。内容は思ってたのとちょっと違ったけどまあイイか。2021/08/05
リキヨシオ
25
鶯谷はJR山手線で最も少ない駅…乗降客数1日約2万4千人(なお新宿は74万人)。東京オリンピックの開催などで、世界に誇る観光都市東京として外国人旅行客が多くなっている中、残された最後の異界「鶯谷」を取り上げた風俗ルポ。駅の北側はラブホテル群、駅の南側は霊園に囲まれて、様々な年齢の男女が駅周辺に行き交う…東京のど真ん中にこんな異界があるだけでも驚きだ!2015/08/01
たぬ
16
☆3.5 鶯谷って名前はきれいなんだけどラブホだらけなんだよね。——そんな認識でしたが甘かったです。出版は10年ほど前だから今はどうなのか知らないけど人妻だの韓国だの年増長身だの様々なデリヘル嬢が。寛永寺霊園がある南口は南口で吉原ソープの玄関口になってて。鶯谷関係ないんじゃね? ただ助平な文章書きたいだけなんじゃね?な部分もけっこうありましたが読めば読むほど性風俗の街だなあって。しかも生率8割だってさ。嬢の婦人科通い率めっちゃくちゃ高そう。2024/08/12
猫丸
16
東京23区だからといって、すべての地区が近代ビル化しているわけではない。ときおり真空地帯ともいうべき特異点が出現し、周囲から浮き上がって異彩を放つ。そこが東京の懐の深さ。性産業が集中する地域は、よそ行きの顔を脱ぎ捨て、オシャレと正反対の空気を現出させる。それが心地よい。先日、鶯谷公園脇の居酒屋へ行ってきた。店内に猫がいた。2018/08/20