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宝島社文庫
逃げる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784800215888
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

40歳の平凡なOL、聡美は、20年働いた会社から突然リストラを言い渡される。満足な退職金も望めないと知り、思わず会社の金庫から金を横領してしまった聡美だったが、それを知った和磨という男から、会社の社長の孫娘である芹香の誘拐に協力するよう脅される。その後、事態は思わぬ方向へと転がり、聡美と和磨は指名手配犯として逃亡生活を送ることになる―。心がひりつくラストに呆然!息詰まる傑作サスペンス小説。

著者等紹介

林由美子[ハヤシユミコ]
1972年、愛知県生まれ。化粧品販売会社に入社後、結婚を機に退職。2007年、『化粧坂(けわいざか)』で第3回日本ラブストーリー大賞の審査員特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

132
そうだね、これは哀しいラブストーリーだったね。許されないけれど!和磨が冤罪になっていなければ、聡美が社長の頼みを公私に渡りはっきりとイヤだと云えていれば・・この二人は今もどこかで穏やかに人生を過ごしていたのかもしれない。香織と出会うこともなかったはずだし・・人生とは酷だなぁとつくづく思う。それでも、何も知らない芹香を思うと心は痛む。芹香に罪はない。嗚呼、こんなラストが待っていたとは・・「逃げて!」と願いつつも、人は犯した罪からは決して『逃げる』ことは出来ないんだろう。2017/08/09

nobby

127
まさに『逃げる』に絞り一気に読ませる快作。平凡で地味な40才女性が何気なく巻き込まれた誘拐劇、些細な誤算や見繕いから積み重ねる罪の数々…一つ間違えば荒唐無稽にもなり兼ねない、ひたすらの逃走模様を疾走感たっぷり読ませるのはスゴい!難しい設定や想像しにくい場面が無いことから、その逃亡の行く末ばかりが気になること然り。事態が好転しては予想通り禍が訪れる展開も分かりやすい。周囲の手のひら返しな反応も心苦しくも現実味に溢れている。終盤ようやく明らかになる真相を伏線とするラストはラブストーリー感じるも切なすぎる…2017/10/05

あも

101
男との交際経験もなく地味な仕事さえ失った40歳の聡美は和磨という男により誘拐の共犯となる。さあ逃げろ、綿密な計画も展望もなく!逃げろ、行き当たりばったりに!巻き込まれ流され、やめときゃいいのに首を突っ込み危機に陥る。日本人にボニー&クライドやらせるとこうなる!面白かった。フィクションのエンタメ作品と割り切れるため、犯罪者なのに…という重苦しさは感じず、ある意味純粋に逃亡を応援。但しそこにある感情は作り物めいてはおらず焦燥感、やっちまった感、切なさ寂しさに共感。足跡を活かしきっちりまとめ上げた結末にも満足。2018/01/24

miww

101
「堕ちる」が気になってたが、こちらを先に入手できたので「逃げる」から。あまりぱっとしない人生を歩んで来た聡美。理不尽なリストラを言い渡された事がきっかけで罪を犯し平凡な生活から思いもよらない事態に追い込まれる。共犯の和磨と共に世間の目や警察から逃れるために罪を重ね、とにかく逃げる、また逃げる、まだ逃げる?ふたりの逃げる事への執念が凄かった。終わってみれば聡美以上に和磨が哀しい。逃亡劇としてもラブストーリーとしても面白かったです。2017/12/21

miyumiyu

101
すごいスピード感で1日で読了。会社の金を横領し、社長の孫を誘拐した男女が逃げて逃げて逃げまくる話。絶対許されないことだが、逃げ切ってほしいと感情移入してしまうところは、「八日目の蝉」を思わせる。絶対に幸せな未来はないが、幸せになってほしいと願ってしまう。和馬と聡美のラブストーリーも、ラストも切ない。おもしろかった!2017/09/04

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