宝島社新書 金正恩―核を持つお坊ちゃまくん、その素顔

高 英起【著】

宝島社（2013/09発売）

• サイズ 新書判／ページ数 190p／高さ 18cm
• 商品コード 9784800213273
• NDC分類 289.2
• Cコード C0295

内容説明

核実験に長距離ミサイルの発射実験…世界中にひんしゅくの嵐を巻き起こしてきた北朝鮮だが、独裁国家の若き三代目・金正恩の素顔は今もってナゾ。３歳で本物の銃を扱い、自動車の運転もこなした…祖父、父同様に「伝説」のねつ造に余念がないが、金正恩とは何者なのか？三男でありながら長男・金正男との後継者レースになぜ勝ったのか？北朝鮮政府がひた隠す金正恩の実母・高ヨンヒの出自とは？気鋭の北朝鮮情報分析家が総力をあげて描く極東版「ロイヤルファミリー」の素顔。餓死者を出しながらも贅沢三昧な“家族経営”を続けるファミリーの実態を、とことん白日の下にさらす。

目次

第１章　隠された「出生」の秘密（スターだった金正日；金正恩のデビュー　ほか）
第２章　金正男ｖｓ．金正恩（なぜ、金正恩だったのか？；金正日の女たち　ほか）
第３章　お笑い！金正恩伝説（金正恩が主導した二つの挑発；なぜ挑発をするのか　ほか）
第４章　激変する人民ライフ（親しみやすい指導者を演出する金正恩；野心ヘア　ほか）
第５章　操られるお坊ちゃまくん（金正恩は権力を掌握できているのか？；李英鎬解任劇の裏側　ほか）

著者等紹介

高英起［コウエイキ］
１９６６年、大阪生まれの在日コリアン２世のジャーナリスト。大阪朝鮮高級学校卒業後、関西大学を経て、９８～９９年に中朝国境の町・中国吉林省の延辺大学に留学。当時は知られていなかった北朝鮮難民「脱北者」の現状と北朝鮮の内部情報を現地より発信する。この活動が北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受けている。２０１０年より北朝鮮情報専門サイト「デイリーＮＫ」の東京支局長を務めながら、北朝鮮問題についてテレビ、ラジオ、週刊誌などにコメントすることも多い（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[skunk_c]

そもそも情報が少ない上に、実際の言行がフィルターを通してしか伝わらない人物なので、「素顔」に迫るのには限界がある中、ややゴシップな面もあるが面白い情報を提供していると思う。著者が在日コリアンで、北朝鮮に対してのどこか愛情すら感じる姿勢が、冷静な分析につながっている面はある。まあサブタイトルやあの髪型を「野心ヘア」と茶化すなど写真入りで笑い飛ばそうという姿勢があるが、その裏で現実的な危うさを指摘しているのが、昨今の状況と重なり空恐ろしい。金正男についても情報があるが、やや古く今回の事件には繋がらない。

2017/04/27

[Humbaba]

民主主義であれば、トップの人間が変わったとしても社会に与える影響はそこまで大きくならない。また、例え間違った方向に舵をとってしまったとしても、国民がそれを受け入れなければ次の選挙で変えることができる。しかし、一人の人間に全ての権力が集まっている状況下では、トップの資質が社会に与える影響は途方もなく大きくなる。正当性を与えるために伝説を作り上げ喧伝するがそれにどれほどの意味があるだろうか。

2013/12/25

[かみかみ]

評価:★★★☆ 金正恩体制の実態から、Twitterのチョソン・クラスタまで手広い範囲をカバーする「無慈悲な」一書。虚勢を張り続けている、どこか憎めない若き独裁者の姿が思い浮かんでくるようだった。NK-POPや無慈悲シリーズなど娯楽としての北朝鮮ネタに体制批判としての一面を指摘する視点に、目から鱗が落ちる。

2013/09/08

[あさゆき（キュア閣下）]

金正恩自身についてだけでなく、金正恩体勢北朝鮮の現状、そして我々北朝鮮ウォッチ趣味者についてまで、分かりやすく解説されている。北朝鮮そのものについての入門書としても有用な一冊。Twitter上でのネタ話まで網羅してあるのには思わずニヤッとした。

2013/09/08

[ココアにんにく]

北朝鮮のみ扱った本初読。まずは一番気になる３代目。独裁者ファミリー３代の比較。正恩兄弟との比較など興味深い。鶴橋生の母も。共産政権の階級社会や総括など恐ろしい。中にはうまくやってる国民も。本書が出版された12月に５章で出てくる張成沢さんが処刑されている。ミサイル実験の成果が得られていなかった３年前より北朝鮮の脅威が確実に増しています。今年だけでも、５回目の核実験、核の小型化（中距離弾道ミサイルに積める？）、潜水艦からのミサイル発射のニュースが続々。日本は「遺憾の意」、国際社会はなんちゃって経済制裁だけ。

2016/09/18