内容説明
第10回『このミス』大賞受賞作。「殺した記憶はない」と、母子殺害事件の容疑者・内尾は言った。裁判のあり方をめぐって司法と検察に異を唱えたことで、弁護士の「私」は懲戒処分を受ける。復帰後、事件の被害者・寅田が私の前に現れ、私は再び、違和感を抱えていた事件に挑むことに。その矢先、心神喪失として強制入院させられていた内尾が失踪。さらに周囲で不可解な殺人が起こり…。
著者等紹介
法坂一広[ホウサカイッコウ]
1973年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。福岡県で弁護士として活動している。第10回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『弁護士探偵物語 天使の分け前』で2012年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
62
一次選考から詳細なコメントが載っている「このミス」大賞のサイトが好きなんですが、おそらく歴代でもいちばんディスられている作品。大賞受賞作なのに「なんでこれに賞あげるんだ」くらいのことが書かれていて引きます。で、読んでみたら好きな味付けでした。弁護士を主人公にしたハードボイルドで、リアリティのある調査と、リアリティゼロのワイズクラック連打が両立しているだけで魅了されます。解説によれば相当改稿しているようなので、ひょっとしたら投稿時はディスに値したのかもですが。楽しんで読んだんですが、解決篇はちょい微妙。2021/09/01
五右衛門
41
読了しました。ネタとしては非常にいい所に目を付けられているなと思いましたが主人公の台詞にいちいち比喩?ネタ?が入っていてうんざりしました。しかしながら終盤ではスピード感があり何とかまとめられたな~2017/05/22
true10vv
40
ハードカバーを読んでいた上で、文庫本を購入。文庫化にあたり、カバーを変えてきたのは意味があるのかな…嫌いではないけど、なぜマンガちっくな装丁になるのだろう。内容に関しては、ハードカバーのほうに感想を書いたので省略しますが、宝島社の小説ってタイトルで興味を引きそうなものとそうでないものの差が大きい気がする。こちらは後者だと思います、ごめんなさい。2013/02/01
Pure
38
ほぼ致命的とも言える大きな瑕を持った傑作ハードボイルドとでも言えば良いでしょうか?全体のプロット、結構はかなり良くできていると思います。しかし、詰め込みすぎたワイズクラックが、ワイズクラックとは評せずつまらん駄洒落に堕してしまっている。これが読み手の癇に障る!読んで欲しくないのか?といえる程であるのが驚き。これでも、応募作の段階から「スベって“痛い”減らず口」はほぼ削られたと言うのだから、応募作は読むに耐えないレベルと推測される!(笑)法学部出身者として弁護士作家さんは応援したいが、このしつこさは勘弁。2016/11/12
Satomi
33
「このミス大賞」受賞作品!!弁護士の先生が事件に巻き込まれ探偵としてドタバタと活躍してしまうミステリー??ストーリーは嫌いじゃないし、登場人物たちも個性的で面白いのですが…。ハードボイルド風!?!?主人公の言葉の言い回しがクドい、もぉーしつこい、鼻につく、面倒くさい!!…笑。あんまり好きになれなかったなぁ…。惜しい…orz2014/12/30