内容説明
病院と医者が崩壊寸前だ。全国の病院の50%以上が赤字になるなか、崖っぷちに追い込まれた病院で、信じがたいことが起きていた。暴力団と手を組み、ホームレスの人々に生活保護を受給させ、青天井の診療報酬を吸い上げる病院。生活保護患者を病院間でトレードする「行路病院ネットワーク」の存在。過剰な治療や診療を施し、不正に診療報酬を得ようとする病院。ある病院関係者が笑いながら言った。「患者は金のなる木。悪く言えば餌食ですね」。その闇は介護の領域にまで広がりつつあった―。NHK取材班が、1年にわたる取材で明らかにした診療報酬制度の限界を直視するドキュメンタリー。誰も描けなかった「医療崩壊」の闇。
目次
第1章 闇の病院―医者が手を染めた貧困ビジネス
第2章 行路病院ネットワーク―病院間でトレードされる生活保護患者
第3章 コトリバス―反社会的勢力の餌食になる病院と“患者”
第4章 乗っ取られる病院―経営を裏で支配する闇のM&A人脈
第5章 病院ビジネスのグレーゾーン―儲けの手口を指南する医療コンサルタントの暗躍
第6章 食い物にされる老人介護―医療の外にも広がるグレーゾーンの“錬金術”
第7章 医療崩壊に処方箋はあるか?―不正な診療、不適切な診療報酬請求を防ぐには
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