出版社内容情報
みんなに忘れられ荒れ果てた家に、旅人たちがやってきて、一緒に暮らしはじめます。木を切って屋根をなおし、畑をたがやし、井戸をほり、壁をなおし、椅子を作り…、世界でひとつの「みんなのいえ」を作りあげます。
内容説明
まいにち、まいにち、すこしずつ、みんなでなおしたみんなのいえ。
著者等紹介
たしろちさと[タシロチサト]
東京都生まれ。2001年「みんなの家」(「おおきなポケット」福音館書店)でデビュー。2003年『ぼくはカメレオン』をMICHAEL NEUGEBAUER VERLAGから世界7カ国語で出版。2011年『5ひきのすてきなねずみひっこしだいさくせん』(ほるぷ出版)で第16回日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
281
たしろ ちさと・作。この絵本が彼女のデビュー作。絵柄も構図も(いい意味で)日本的な枠組みからはみ出す。雰囲気はヨーロッパの絵本。『ぼくはカメレオン』などは世界7か国で出版されている。本書もグローバルに人気のありそうな絵本だ。お話は、冬のある日にたまたまこの空き家にやってきた一人の旅人が住み着いて、次の春には新しい旅人が…こうしてしだいに人も増え、家も整って行くというもの。この経緯を絵で表現しているのだが、なんとも暖かい。家はみんなにとって、さらにさらにかけがえのないものになっていく。ほんとうに素敵な絵本。2024/11/25
やすらぎ
167
自然と人々が集う家のお話。シェアハウスの原型のよう。元から整備されたものより、ひとつひとつ手入れをしていくことの楽しさを感じる絵本。表紙は鮮やかなのに1枚捲ると印象がガラッと変わり、そこから徐々に幸福に満ちていく。吹雪を避けるために旅人が駆け込んで、暗闇にろうそくを灯すと、クモの巣が張り、天井には大きな穴。春になると別の旅人がやってきて、穴を塞いで壁に色を塗って、窓の作り方が豪快で。季節は巡って。そこから先は読んでみてのお楽しみ。DIY好きの方におすすめです。たしろちさとさんの他の絵本も読んでみようかな。2025/02/24
yomineko@ヴィタリにゃん
69
みんなに忘れ去られ寂れた家に一人の旅人がやって来た。家を少しずつ修理し始めると、また旅人がやって来た。春夏秋冬を通して人が増えて行き、最後は表紙の様に、みんなが住める家に😊まるで外国のおとぎ話に出て来る様な美しいおうちでした✨✨✨2024/09/11
seacalf
55
この独特なタッチの絵に触れられる嬉しさ。外国の絵本かと思ったら、たしろちさとさん。まじめなレストランは読んだことがあったのに気がつかなかった。どこもかしこも欠陥だらけのあばら屋だった家に次々とやってきて増えていく旅人たちの手によってみるみる温かみを取り戻していく。寒々とした空間が寝室や書斎、お風呂場にダイニングスペースなど沢山の住み心地良さそう部屋に変わっていく過程にわくわくさせられる。文章からも牧歌的な雰囲気が伝わってきて読み手を癒してくれる。我が子はぽやんと眺めていたが、妻はいたくお気に召したご様子。2024/12/11
ぶんこ
55
まちはずれに誰も住まない朽ち果てそうな家がありました。この文で、以前北海道に行った時に、ある有名な方の実家だったという家(とても小さい)が、潰れかけているのを見たのを思い出す。偶然訪れた旅人によって、人が快適に住める家にかわっていくのが楽しい。次々に現れる旅人が協力するのもいいですね。絵本ならではの夢があって和みました。家も喜んでいるでしょう。通りすがりの人も嬉しいと思います。2024/09/20