内容説明
その人はいつも9時7分に電話を掛けてくる。そしてひとしきりクレームを喚きたてた後、毎日半日も私と世間話をして過ごす。幾月か経ち、この迷惑な男に私は親近感すら覚え始めていた。だが、このクレーマーに毛の生えた、うだつの上がらない昭和やくざだと思っていた男、実は人類の産んだ最強の悪魔だったのだ。そんな奴とお友達になってしまった私に次々と降りかかる災難の嵐。きつい、苦しい、でもちょっと楽しいかも。
著者等紹介
増田一志[マスダカズシ]
1959年生。1983年東京大学文学部イタリア文学科卒。2014年小学館「ゴルゴ13脚本大賞」佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
35
“ガール”はダメでしょ。いろんな意味で。矢吹徹の正体にびっくり。びっくりしているうちに事件の規模が広がってゆく。人工知能“徹”が意思を持つようになる展開がおもしろかった。NetGalleyJP2019/10/23
dolce vita
18
主に苦情だろう電話の応対は、たとえそれが仕事だとしてもつらいと思う。まして顔が見えない知らない相手と毎日会話するなんて、そして知らないはずの相手が自分の生活を知ってるだなんて、本当だったらかなり恐怖…のはずが、腹が座ってるというのか何というか。徹さんの正体はさらなるどんでん返しがあるかと期待して期待し過ぎてしまったので、少し残念ではあった。#NetGalleyJp2019/10/20
パンダプー
18
挫折!Net Galleyで。 やはり無料で読むと挫折する!2019/10/11
りらこ
16
一気読み。春代の独白の文体に色々ん?だったけれど、まぁ良しとしましょう。春代だけがなぜ徹との会話が平気だったのか、が掴めないまま。それって恐怖や人を信じる心の度合いってことかな?ありそうな現実と、ありえない仮想現実が入り混じってスピード感のある一冊。連続ドラマとかにしたら面白いかも。#Netgalley2019/10/14
のんぴ
14
#NetGalley 私の妹もコールセンター勤務なので、暇で相手してほしいために電話してくるクレーマーもいるとは聞いていたが、その後事態は予想の斜め上をいく急展開。まさかだけどありえないとも言い切れないような。人工知能の暴走は恐ろしいが、情動も学習しうるのか…私はこの話、結構楽しめました。2019/10/17