アラブ古典音楽の旋法体系―アレッポの歌謡の伝統に基づく旋法名称の記号論的解釈

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アラブ古典音楽の旋法体系―アレッポの歌謡の伝統に基づく旋法名称の記号論的解釈

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  • サイズ A5判/ページ数 311p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784799801581
  • NDC分類 762.28
  • Cコード C1073

出版社内容情報

シリアの古都アレッポ。そこで古くから受け継がれる伝統的な歌を分析し解き明かす。現地で研究を続けた著者ならではの1冊。シリアの古都アレッポには、宗教歌手ムンシドたちが歌い継ぎ、町の名士たちが護ってきた歌謡の伝統があった。そこで歌い継がれてきた数々の旋律は、音楽がもたらす心理的な影響を重視するタラブ的感性でとらえられ、旋法ごとにラーストやバヤーティーなどの名称を付され分類されてきた。しかし、名称の中には旋法名だったり、小音階名だったり、さらには音名だったりするものもある。また、数も多いため、その存在は音楽学的理論研究では扱いきれずに等閑視されてきた。本書はこうした名称群の特徴やアラブ音楽に欠かすことのできないタラブ的感性、そしてそれらを護り続けてきた古都アレッポの伝統に着目して、アラブ音楽の旋法体系の基本をまずこの文化の内側からの視点で解き明かし、次にそれらを理論的に分析・考察することでこの文化の外側にいる我々にも理解可能にした待望の一冊。

はじめに

凡例

図・表・譜例・図像参考資料一覧

アレッポ旧市街の略地図



序章

 ・第1節 本研究の目的および問題の所在:アラブの音文化が培った名称による旋律様式の体系

 ・第2節 先行研究群の歴史社会的背景と方法論的問題点

 ・第3節 課題と方法:音文化を重視した方法論的枠組み

 ・第4節 資料と研究手法および本論の構成



■第1部・ナガムをめぐる文化内在的枠組み

 第1章 歌謡の伝統の社会文化的構造 ー名士とムンシドから成る歌謡文化共同体

 ・はじめに

 ・第1節 ムスリム社会における歌謡の位置付け

 ・第2節 ムンシドたちと社会における活躍の場

 ・第3節 名士の庇護と中庭式邸宅におけるサフラ

 ・第4節 実践者たちの自己認識:敬意と尊敬の念に値する技芸の徒

 ・おわりに

 第2章 音楽の情緒的体験 ータラブの文化内在的構造

 ・はじめに

 ・第1節 古典歌謡文化におけるタラブ

 ・第2節 タラブの意味構造:情緒を重視する文化的概念

 ・第3節 情緒を感じさせる旋律としてのナガム

 ・おわりに

 第3章 実践者の音楽知 ー記号としてのナガム体系

 ・はじめに

 ・第1節 音声と記憶に基づく稽古

 ・第2節 技芸の伝授を支える伝承の系譜

 ・第3節 響きに名前を付ける:音高名としての名称

 ・第4節 響きと情緒的記憶を結ぶ記号としての名称

 ・おわりに



■第2部・旋法の名称とその音楽学的機能

 第4章 一音の響きとしての名称 ー旋律の開始部と支配音の概念

 ・はじめに

 ・第1節 文化内在的認識から音楽学的理解へ

 ・第2節 一音の響き:旋律の開始部と支配音としての名称

 ・第3節 アレッポの実践と『会議の書』における旋法分類の整合性

 ・おわりに

 第5章狭旋律の響きとしての名称ー核音と小音階

 ・はじめに

 ・第1節 小音階(ジンス)の音楽学的定義:核音とジンスの関係

 ・第2節 小音階と支配音による狭旋律:名称を持つ小音階の音楽学的機能

 ・第3節 旋律的響きとしての小音階(1):テトラコード型(バヤーティー旋法タイプ)

 ・第4節 旋律的響きとしての小音階(2):トリコード型(スィーカー旋法タイプ)

 ・第5節 響きを左右する旋律の方向性:ペンタコード型(ラースト旋法タイプ)

 ・おわりに

 第6章 名称を付与されている旋律と名称の記号論

 ・はじめに

 ・第1節 旋律行程の概念と歌謡形式に見られる共通した特徴

 ・第2節 一般的な旋律行程と二つの構成単位AとB:低・中音域から始まる旋律の例

 ・第3節 旋法名が付与されている支配的響き:高音域から始まる旋律の例

 ・第4節 「名称旋律」と新古典歌謡の事例

 ・おわりに

 終章



用語集

基本旋法リスト

参考文献

参考録音資料(DVDを含む)

索引

飯野 りさ[イイノ リサ]
日本学術振興会特別研究員(PD)地域文化研究(音楽)
最終学歴:東京大学大学院総合文化研究科単位修得満期退学
学位:博士(学術)

内容説明

アラブの旋法体系の基本がいま明らかに。シリアの古都アレッポで古くから受け継がれる歌の旋律からわかることとは。

目次

第1部 ナガムをめぐる文化内在的枠組み(歌謡の伝統の社会文化的構造―名士とムンシドから成る歌謡文化共同体;音楽の情緒的体験―タラブの文化内在的構造;実践者の音楽知―記号としてのナガム体系)
第2部 旋法の名称とその音楽学的機能(一音の響きとしての名称―旋律の開始部と支配者の概念;狭旋律の響きとしての名称―核音と小音階;名称を付与されている旋律と名称の記号論)

著者等紹介

飯野りさ[イイノリサ]
中東地域文化研究(音文化)専攻。東京大学大学院総合文化研究科(博士課程)単位修得満期退学、博士(学術)。外務省専門調査員、東京大学東洋文化研究所特任研究員などを経て、現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。アレッポを代表する音楽家ムハンマド・カドリー・ダラール氏に伝承歌謡を師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。