内容説明
王族に死をもたらす“王室病”にかかった今世王レシェイヌ。王族命の家臣一族「灰色狼」は足弱も王室病に感染することを怖れ、無理やり隔離する。「看病したい」と足弱がどんなに抗っても、今世王と灰色狼の意志は揺らがなかった。だが、今世王の病を知って、ラセイヌの支配に野心を燃やす男がいた。大臣カゴノオ家の長子アルゲは卑劣な手口で、灰色狼たちの手から足弱を拉致する。足弱を想い病と闘う今世王、監禁された足弱、命を賭けて王族を救おうとする灰色狼の運命は!?WEB発BLノベル屈指の傑作、ここに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しましまこ
32
子供の様に一心に王族を慕う灰色狼達がいいわ~。ラブの方は、もう少し今世王に待てが出来たら良かったんだが・・・2017/05/13
まふぃん
30
気になる終わり方をしていたので、直ぐに手に取りました。そして、続きが知りたくて夜更かししての一気読み。色んな波乱の展開でどうなるか、途中でやめれませんでした。灰色狼の気持ちになり、ずっと幸せでいてほしい。2018/10/22
ぐっち
29
離れてる時間が切ないし、小屋に戻った足弱がだんだんもとに戻っていくのも切なかった。灰色狼のみなさんの献身にもきゅんと来る。でも、最後まで割と暴力的だったなあ。まあお互いに幸せならいいのかな?表紙のイラストが上下巻とも素敵でした。2017/05/27
ユキモリ
29
web版を加筆修正、書下ろしを加えた後編。王族しか罹らない死病で床についたレシェイヌ王と、感染の恐れから彼と引き離された足弱が反逆者に拉致されるという怒涛の展開に惹き込まれ、結末を知っていても夢中で読んでしまった。危機の中、王族に全身全霊で尽くすことが無上の喜びの灰色狼たちの奮闘も読みどころ。訳あって山奥で育った足弱がやっと自分の居場所を見つけ、レシェイヌに身も心も委ねられるようになる姿に胸が熱くなる。世界観のしっかりした読み応えのある骨太ファンタジーなので、じっくりと読みたい方にお勧め。2017/04/30
ふかborn
24
☆いやぁ…良かったです。前巻でやけに細かく、しかも何度も繰り返す文章が多いなとは思っていたが、伏線がさり気なく読者の記憶に残るようにしていたのね。足弱が本当に王族として自覚するまでの葛藤とか、今世王の孤独とか、よりよく分かって本当に素晴らしいかったです。多分、読んだ方の大半は主人公ふたりではなく、灰色狼の皆さんに感情移入したんじゃないかなぁ。足弱が不具を嘆いたり、狼の皆さんを慮ったりした場面では、「うおぉぉ~兄上さま~お世話して差し上げたい!」って、なりましたもんね。2018/08/15