内容説明
19歳の翔馬は、楽に稼げると開き、警備員のバイトを始める。しかし、配属先はなんと大学の守衛室!一緒に働く3人の過去を知り、翔馬の世界の見方は変わっていく。仕事とは何か、人生とは何か、生命のつながり…彼らが「生きざま」を通して教えてくれたのは、「未来の誰かの笑顔のために行動する」ということだった。未来に向けて、翔馬が決意したこととは―?
目次
新天地へ
ギンガムくんとゾウちゃん
輝ける場所
弁当は妄想の入り口
自分にしかできないこと
本当の優しさ、本当の強さ
魚との約束
いただいたもの
学び舎
未来の誰かの幸せのために
暁光
はじまり
著者等紹介
喜多川泰[キタガワヤスシ]
1970年生まれ。愛媛県出身。東京学芸大学卒。2005年『賢者の書』(ディスカヴァー)にて作家活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
21
【小林書店】【速読】:面白かった。学びになる本の一冊で、万人の人に読んで欲しいと思いました。この本から学ぶ事は多いと思った2025/09/28
ふわりん
10
たった2か月で翔馬の人柄が激変し過ぎかなとチラッと思ったけど、それまで隠れていた元々の性格が周りの人たちにより最大限に引き出されたということかもしれない。警備員の先輩方のそれぞれが自分しかできないことをしている、未来の誰かの幸せのために。目の前の小さな問題にとらわれてなかなか遠い未来まで意識がいきにくいのが現状だけど、人生の先輩方に来た道を振り返っていろいろ聞くことができた翔馬は幸せものだね。先輩方だけでなく、津崎や詩緒里、龍弥、大切な陽奈など、これから一緒に成長していく仲間たちが一番の宝になると思う。2025/09/27
coldsurgeon
6
人が生きていくうえで、社会から多くの恵みを受けていることを自覚する必要性を訴えている。食事の際に「いただきます」と合掌して唱えるが、そこには多くの人の手による恵みに感謝するだけではなく、自然がもたらす恵みにを心に思い浮かべる想いもある。人生のどこかで、知らず知らずのうちに恵みを得ていることに気づき、未来の誰かの幸せのために、生きていきたいと思う機会が生まれる。心を潤す物語だった。2025/09/15
ドロンジョ935
4
いただきますの由来や意味には、それぞれの考えが反映されてると思うんだけど、自分とは違う見方や意見を聞く機会がないと広がらない。それ含めて学びの機会は大事だ。年を取るのも悪くないと思わせてくれる。人間は行動の後に感情がついてくるのに、やる気が入らないとできないとかやりたいことが見つからないというのはよく聞くけど、まずは行動しないと見つからないってことを、この守衛室のように教えられる機会がある社会であってほしい。2025/09/28
うえしん
2
久しぶりの喜多川作品。やはりいい。主人公である翔馬が師匠たちに教えられながら、自分の道を見つけていく。「いただきます」という言葉をどのように解釈するか、そして感謝の気持ちをいかに伝えるか。この作品を通して、多くの感動を味わうことができる。ぜひ十代の若者たちに読んでもらいたい。2025/10/09