ディスカヴァー携書<br> スマホ時代の哲学―「常時接続の世界」で失われた孤独をめぐる冒険 (増補改訂版)

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ディスカヴァー携書
スマホ時代の哲学―「常時接続の世界」で失われた孤独をめぐる冒険 (増補改訂版)

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  • サイズ B40判/ページ数 384p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784799331422
  • NDC分類 104
  • Cコード C0210

内容説明

つながっているのに寂しい、「常時接続の世界」を生き抜くために。哲学という「未知の大地」をめぐる冒険を、ここから始めよう。

目次

第1章 迷うためのフィールドガイド、あるいはゾンビ映画で死なない生き方
第2章 自分の頭で考えないための哲学―天才たちの問題解決を踏まえて考える力
第3章 常時接続で失われた〈孤独〉―スマホ時代の哲学
第4章 孤独と趣味のつくりかた―ネガティヴ・ケイパビリティがもたらす対話
第5章 ハイテンションと多忙で退屈を忘れようとする社会
第6章 快楽的なダルさの裂け目から見える退屈は、自分を変えるシグナル

著者等紹介

谷川嘉浩[タニガワヨシヒロ]
1990年生まれ。哲学者。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。哲学者ではあるが、メディア論や社会学といった他分野の研究やデザインの実技教育に携わるだけでなく、企業との協働も度々行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

87
スマホは生活に必需品となったが、常時側にあることによる弊害には中々気付かない。本書は、そんな現代に孤独の価値を説く。哲学とは世界や自分を捉える理論だが、デカルトやニーチェを持ち出されても、西洋哲学とはプラトンに対する一連の注釈から始まると言われる様に日本人である私にはピンと来ないもの。著者は、映画「ドライブ・マイ・カー」や「燃えよ、ドラゴン」「新世紀エヴァンゲリオン」などからの引用で、哲学用語をなるべく用いずに、読者を導いてくれます。「他者の抱く疑問について一緒に考えてみる」という視点が新鮮でした。2025/09/28

R

84
タイトルの通りながら、スマホがもたらしたというよりも、スマホの登場により哲学における孤独の概念の説明がつけやすくなったといった感じだった。孤独の必要性や、解決しないことによる成長みたいな効能めいたものを哲学が余白として提示しているそうで、昨今はそういう余白をスマホによって埋めてしまっているから内省や自己と向き合う力が訓練されづらいという指摘があってなるほどと思う。世代とか関係なく、風潮や流行として、なんでもさくさく白黒つける感じだが、近道をして大きなものを逃しているのかもと思った。2025/10/27

Book & Travel

40
多くの人が推奨しているだけあり、とても興味深く、心に刺さる一冊だった。スマホにより常時接続された現代。そんな世界でこそ大切なのは、「孤独」と向き合うこと、といっても内に籠るのではなく他者の想像力を取り入れること、モヤモヤをすぐに理解した気にならず心に抱えておくネガティブ・ケイパビリティ、等々。ハンナ・アーレントら哲学者の言葉だけでなく、エヴァンゲリオンや燃えよドラゴン等の例を挙げて述べられ、分かり易く腑に落ちる内容が多かった。とはいえ真髄の部分は簡単では無い所もあり、また時を置いて再読してみたい。2025/11/30

d3

32
「現代人はインスタントで断片的な刺激に取り巻かれている」序盤から心を掴まれた。 スマホを触ってニュースアプリやSNSをスワイプするたびに感じていた自己嫌悪の原因に触れた気がする。知りたい情報があるわけではない。連続性のない、明日には忘れてしまうお手軽な刺激を求めていたのだ。それが習慣になってしまっているがゆえに、気づけばスマホを触っていたのだろう。 スマホの常時接続によって失っていたのは、「孤独」の時間。それは自分だけでなにかを考える時間だ。失っていたものを気づかせてくれた再読不可避の一冊である。2025/11/20

踊る猫

32
ネットの狂騒に呑み込まれて自分自身をなくしてしまう快楽、というのがあると思う。そこから一歩、いや半歩身を離しつつしかし自分だけの世界に閉じこもって孤立してしまうのでもなく、ネットの中で自分と世界のあいだに補助線を引き、世界としなやかに対峙すること。そんな難題に実にかろやかに挑んだ1冊として、ぼくはこの本を興味深く読んだ。いまを生きるポップカルチャーをふまえた実践的なアドバイスもたくさん載っており、したがって有効性は抜群と見る。この本を通して読み進めることがそのまま哲学の稀有なレッスンとなっているのがニクい2025/06/28

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