内容説明
つながっているのに寂しい、「常時接続の世界」を生き抜くために。哲学という「未知の大地」をめぐる冒険を、ここから始めよう。
目次
第1章 迷うためのフィールドガイド、あるいはゾンビ映画で死なない生き方
第2章 自分の頭で考えないための哲学―天才たちの問題解決を踏まえて考える力
第3章 常時接続で失われた〈孤独〉―スマホ時代の哲学
第4章 孤独と趣味のつくりかた―ネガティヴ・ケイパビリティがもたらす対話
第5章 ハイテンションと多忙で退屈を忘れようとする社会
第6章 快楽的なダルさの裂け目から見える退屈は、自分を変えるシグナル
著者等紹介
谷川嘉浩[タニガワヨシヒロ]
1990年生まれ。哲学者。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。哲学者ではあるが、メディア論や社会学といった他分野の研究やデザインの実技教育に携わるだけでなく、企業との協働も度々行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
124
著者の哲学と哲学全般の接し方を私達一般人に分かりやすく案内してくれた書籍。アニメ、漫画、ラノベ、映画などの言葉を数多く文章の中に引用し、いかにも深刻で哲学っぽそうで無い立て付けになっている。哲学を歩くときの三つの注意点。①考えることにも練習は必要。②使われている通りの言葉遣いをする。③その哲学者の想像力に沿って読む。また、ネガティヴ・ケイパビリティには創造と理解という二つの方向性がある。そして、孤独は自分自身の対話を通じて自己形成していくプロセスであり「自分という庭」を育てる試みである。うん、面白かったー2026/03/13
R
111
タイトルの通りながら、スマホがもたらしたというよりも、スマホの登場により哲学における孤独の概念の説明がつけやすくなったといった感じだった。孤独の必要性や、解決しないことによる成長みたいな効能めいたものを哲学が余白として提示しているそうで、昨今はそういう余白をスマホによって埋めてしまっているから内省や自己と向き合う力が訓練されづらいという指摘があってなるほどと思う。世代とか関係なく、風潮や流行として、なんでもさくさく白黒つける感じだが、近道をして大きなものを逃しているのかもと思った。2025/10/27
アキ
89
スマホは生活に必需品となったが、常時側にあることによる弊害には中々気付かない。本書は、そんな現代に孤独の価値を説く。哲学とは世界や自分を捉える理論だが、デカルトやニーチェを持ち出されても、西洋哲学とはプラトンに対する一連の注釈から始まると言われる様に日本人である私にはピンと来ないもの。著者は、映画「ドライブ・マイ・カー」や「燃えよ、ドラゴン」「新世紀エヴァンゲリオン」などからの引用で、哲学用語をなるべく用いずに、読者を導いてくれます。「他者の抱く疑問について一緒に考えてみる」という視点が新鮮でした。2025/09/28
ウォーカー
59
常時接続の時代だからこそ「孤立」と「孤独」を特に大切にし、「モヤモヤ」や「消化しきれなさ」を抱えながらも冒険的な好奇心をもって試行錯誤し、他者性を取り込んだ自己対話を通じて「何かを作り、何かを育てる」こと(著者の言う「趣味」)が大切だと理解した。創作や育成といった創造的な活動が何を意味するのか、何かを知り続けようとすることの意味は何かを考えさせてくれる。スマホ時代に限らず良い生き方のヒントがちりばめられていると感じた。ブルース・リーや「エヴァ」の登場人物のセリフが深掘りされていくプロセスが面白かった。 2025/09/15
みき
58
まぁ面白い。スマホなどで情報や他者と常時接続されることが避けられない時代だからこそ、モノを作ったり育てたりする趣味が大切になってくるという論調。最初の方は論理を1つ1つ積み上げていく書き方が面白いと思ったが、終盤にエヴァの主人公の碇シンジが自分たちそのままであるとなったりと流石にそれは飛躍しすぎではないかとも思える。少なくとも自分は共感することは出来なかった。具体例を出しすぎてハテナマークが浮かぶところもあるのは事実だがポストフォーディズムなど新しい知見を得る事ができ良い読書であった。2026/03/07




