内容説明
秩序を生むのは「権威」か「権力」か?世界の「共通の敵」は本当にいるのか?「戦争しない」で秩序はつくれるか?「批判的思考」で難題に挑む!東大生との集中講義、ここに開幕。
目次
1 「国際政治」の本質を考える(国際社会の秩序とは何か;「世界連邦」は実現可能か)
2 「戦争と平和」で本当に大切なこと(社会にとって銃は悪か;平和のための軍事力はどうあるべきか;「核のない世界」は到来するか)
3 異なる正義と交渉するには(アジアの戦後秩序はどう作られ、変化したか;北朝鮮はなぜ核・ミサイルを手放さないのか;模擬交渉:米朝会談を「実際に」やってみる)
4 最高の外交を実現するには(「国益」は誰のためか;パワーは国益をどう変えるのか)
著者等紹介
小原雅博[コハラマサヒロ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授。1955年、徳島県生まれ。博士(国際関係学)。東京大学文学部卒、UCバークレーにて修士号取得。1980年に外務省に入り、アジア大洋州局審議官、在シドニー総領事、在上海総領事などを歴任した後、2015年より現職。復旦大学(上海)客員教授も務める。東大では、現代日本外交を担当。外交官としての実務経験と大学での理論研究に基づく国際政治学を探求。Critical thinkingによる授業を重視(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ta_chanko
11
国際社会には「世界政府」など存在せず、大小の「リヴァイアサン」(怪物=国家)がひしめく修羅の世界。基本的には現実主義的な勢力均衡によって秩序が保たれているが、国連や覇権国家が掲げる理想主義的な理念・価値によっても指針が示される。近年、中国の急速な台頭とアメリカの退潮により、勢力均衡が崩れかけている(=トゥキディデスの罠)。従来の理念・価値も揺らぎ、力の論理が表面化してきている。従来の理念・価値も大切にしながら、日本も現実主義的な外交・安全保障を重視していく必要がある。2020/04/05
Jun
2
「自己保存のために暴力を振るう権利(自然権)を国家に委ねる事で国家だけが暴力を認められ、対内では警察や裁判所、対外では軍が国民の安全を守るというのが主権国家のあり方だ」「米はなぜ銃を失くせないのだろう?警察がカバーしきれない国土の広さと、銃で開拓したという精神的意味がある為である。銃所有率の高いスイスでは、子供の時から十二親しむ教育をし、銃規制法が遥かに厳格」トゥクビル「外交は民主主義より権力者が自由のがうまく機能する。国際政治はまさに権力政治の特徴を強めてる」2020/02/07
読書太郎
1
国際政治の入門編として。 政治とは何かから始まり、個人と国家、戦争と平和的外交について、地震で考えるきっかけになりました。 より複雑化する現代の国家間のパワーバランスを完全に理解するのは難しいが、個々人の観点に立って国益とは何かを考え、平和的外交を模索することが重要。 国際政治論に銀の弾丸はないが、理想論だけを語っても仕方がない。現実主義的理想主義な観念が我々には求められるのかもしれないと思いました。 政治家が悪いというのは簡単だけど、個々人がどうすべきかを、多面的な立場で考える必要がありそうです。2022/12/10
マーチャ
1
国際政治と言う権力闘争は、ギャングエイジの子供たちの関係に似ている。パワーのあるジャイアンに正義は簡単に凌駕されるが、基本的価値が共有される部分があって初めて共生できる。 日本は強大なパワーを持つジャイアンにはなれない。相手の状況を理解して交渉する力を地道にはぐくむ社会づくりのために、夢を託しにくくなっている政治にも責任を持たなければならないんだろうなぁ〜2021/05/07
高原ロイ
1
★★★☆☆ 僕にとって新しい知見はなかったかな。2020/12/04