内容説明
家には仏壇があり、お墓はお寺にあり、お盆やお彼岸にはお墓参りに行き、葬式ではお坊さんにお経をあげてもらう…こういった習慣は本来の仏教とは無関係だし、「よいことをすれば極楽、悪いことをすると地獄へ行く」「仏様がいつも見守っていてくれる」といった考え方も本来の仏教の教えにはなく、キリスト教の影響を受けたものだったりする。日本人の多くが持っている仏教のイメージを覆し、ブッダが説いた純粋な仏教を明快に解説、「入門書を超えた入門書」としてベストセラーとなった名著に大幅加筆、完全版として復刊!
目次
第1章 仏教の出発点は「人生とは苦しみ」
第2章 仏教のキーワードは「縁起」と「空」
第3章 煩悩から自由になる
第4章 仏教の説く愛と慈悲
第5章 本来の仏教から変質した日本の仏教
第6章 仏教に「輪廻」はない
著者等紹介
白取春彦[シラトリハルヒコ]
青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
426
初読み作家さん。この方のバックグラウンドがよくわからない。独自の切り口はおもしろいのだが、ぶった切り調の文章が鼻につく。とりあえず「日本国内の」仏教は「日本独自」なものであることはよくわかった。肝心の「縁起」と「空」に関しては、途中なるほど…と思わせながら、結局最後までよくわからなかった。2019/06/02
旅するランナー
50
仏教は輪廻・生まれ変わり・霊魂の存在を否定する。えっ? 多くの人がエセ仏教徒に成り下がるところから始まり、「仏教とは何か」をじっくり学べます。ブッダが勧めた、まともに生きること、真っすぐに生きること、自己を制して生きることを実践しようと思いつつ、ニルバーナの音楽が聴きたくなる煩悩が沸き起こる、僕の不甲斐なさは言語道断だなぁ…2018/12/24
R
22
今話す言葉のうち、どれほどが仏教由来のものか、また、その本来の意味から外れているかを知ることができる本でした。入門の名の通り、釈迦の教えがどういうものか、空と縁起という大切なキーワードから説いてくれるのだけども、なんとなく仏教っぽいと思っていることが、本筋の内容ではないということが多いと、改めて思い知らされたりして、実際的な、より実践的な仏教思想である釈迦の教えに興味がわく本でした。哲学ではないというのもよい。2019/02/05
naka
16
仏教の教えを解説している本ですが、著者は特定の宗派に属しているわけではなく、より原典を解釈するかたちでまとめられている印象です。このところ仏教や神道の入門書をいくつか読んでいて感じたのは、さまざまな宗派が出来ていくところが、自然科学における新しい学説が出てくるのとイメージが重なりました。ただ、自然科学では研究によってより正しいものが選択されていくのに対して、宗教の場合にはその判定がちょっと難しく、これが争いの元になったりするのだなと感じました。Kindle Unlimited2024/03/31
ぽんすけ
13
哲学・宗教分野の文筆家・翻訳家として著名な作者の本。仏教関係者では無い人が論じた「仏教」に何故かひどく得心した。私が抱いていた日本仏教に対する疑問にストレートに答えてくれていたからだ。常々なんでこんなに仏教って宗派によって言ってることが違うのかという疑問の解と、人間ブッダの思想がシンプルに書いてある。ブッダの基本的姿勢は非現実的なことに囚われたままでいずに、直ちに現実に有効な手当てをせよという。過去でも未来でもなく現実を大事にせよという教えであり、全てのものが関係しあって互いの存在を支えている=縁起の理で2024/10/21
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