内容説明
きみの生き方が世界そのものだ。20世紀最高の哲学者、人生に新しい地平を切り拓く言葉。
目次
1 考えることについて
2 言葉について
3 心について
4 人生について
5 人間について
6 世界について
7 自己について
著者等紹介
ヴィトゲンシュタイン,ルートヴィヒ[ヴィトゲンシュタイン,ルートヴィヒ] [Wittgenstein,Ludwig]
1889~1951。オーストリア・ハンガリー帝国の大富豪の家に生まれる。理工系の学問に興味を持ち、ベルリン工科大学やマンチェスター大学工学部でジェット推進プロペラの設計に打ち込むが、やがて数学基礎論に関心が移り、ケンブリッジ大学のラッセルのもとで数学、論理学、哲学を学ぶ。第一次世界大戦ではオーストリア軍に志願して戦った。1922年、従軍時も含め6年越しで書いた『論理哲学論考』を出版し、当時の哲学界に衝撃を与える。この本を書いたことで哲学についてはもう何もすることはなくったと感じ、小学校教師や修道院の庭師として働く。約10年後、40歳でケンブリッジ大学に復学、博士号を取得。50歳で教授となる。58歳で辞職、62歳で死去
白取春彦[シラトリハルヒコ]
青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
48
序文で著者の数奇な人生を知る。考えること・言葉・心・人生・人間・世界・自己について、全部で183の箴言。「言葉はみな概念だ、中身がまるでわかっていない言葉だ、概念の言葉にだまされるな」と手厳しい。人生について「きみの生き方が世界そのものだ」「人生を変えたいのなら仕事でも環境でもなく態度を変えよ」肝に銘じられる言葉ばかり。そして「人生については正確に問うことも答えることもできない。それはただ経験されるのみ。そして説明することができない。しかも、その体験を言葉で誰かに伝えることもできないまま死ぬのだ。」2019/04/10
くるり
10
『論理哲学論考』がかなり難しかったので、先に超訳の方で軽く理解しようと思い、読んだ。言葉の数だけ世界が広がる、景色の見え方が増えていくという考えがとても好き。結局自分が持っている言葉でしか理解ができないし、広げることも出来ない。時々私より広い世界を持っている人がいて、そんな人の話はとてもワクワクするし勉強になる。素敵だなぁと思う。ウィトゲンシュタインの哲学を勉強しようと思ったきっかけをくれた方もまさにそんな人。私の世界が変わる言葉が沢山あった。定期的に読み返したい。2024/06/02
大先生
8
大富豪の息子でありながら、欲がなく遺産は全て兄弟に譲り、自らは修道院の庭師や教員をして暮らした人物。かなり鬱だったのに、前向きな言葉が多い印象です。【無意味とは無価値という意味ではないし、人生にとってまったく無駄という意味でもない。】【世界を変えたいのなら、自分自身が変わらなければならない。すると同時に、世界は変わった自分と同じように変貌する。 そして、きみ自身が幸福に生きるならば、世界はもっとも大きくなって輝くだろう。】明日から世界は変わるかもしれません。なぜなら、私が変わるから!2025/02/24
ぐっさん
7
怪しさ満点だが素材がいいだけに内容もよかった。翻訳者の趣味なのかやたらエモい文体から20世紀を代表する哲学者の日常の思い付きがえんえんと語られている。ヴィトゲンシュタインといえば常に深遠なことばかり考えているイメージを勝手に持っていたが俗っぽいことも考えていたのは意外。2019/03/06
トッド
5
❶常識は人々をなだめはするが実際の解決にはならぬ。経験も解釈。思い出とは今の自分からの記憶への反応。恋しているのは現実の相手ではない。知識とは信じている事に過ぎない。❷なぜ・どうして➡不安の言葉。表情や態度が明瞭な人ほど理解を得られる。❸大事な事は内心ではなく表情や態度。勇敢⇔躊躇い・腰抜け・臆病。❹人の生活を変える力は知恵や知識ではない情熱だ。❺質問するよりその人が何に好きで何に対して微笑むかだ。安楽を求めるは弱さ。多くの人の視線が注がれたものが価値を生む。絶望とは自分の判断が正しいと信じ込んでいるだけ2022/07/24