出版社内容情報
本書は、私自身が、この世界を生きるためのよすがを求めて、論語の言葉の響きを聞き取った、その報告である。
論語という、二千数百年という時間を越えてこの私に届いた奇跡の言葉には、人々の心を響かせてきた、
何かがあるはずだ。
私はその何かを聞こうとして、多くの知識を蓄えつつ、耳を澄ませてきた。
その響きを本書ではお伝えしたいと思う。
もちろん本書は、徹底して客観的たらんとしつつ、同時に、徹頭徹尾、主観的な書物である。
それゆえ、ここに書かれていることを、決して鵜呑みにしないで頂きたい。
一つ一つの言葉が、役に立てば役に立て、役に立たなければ、捨てて欲しい。
そして、論語について何かを誰かに言いたい、と考えたなら、必ず原文に当たり、
本当に私が聞き取った響きが聞こえるかどうか、読者自ら確認してほしい。
もし違った響きが聞こえたら、それがあなたにとっての論語なのであり、その響きを大切にして欲しい。
本書はそのための手がかりに過ぎないのである。
(「序」より 著者よりコメント)
内容説明
自分で自分の限界をつくるな。今この時代に読み直したいまったく新しい「論語」。
目次
1 学ぶことは危険な行為だ―学而篇より
2 「知る」とはどういうことか―為政篇より
3 「仁」であるとは美しいことだ―八〓(いつ)篇、里仁篇より
4 楽しもう―公冶長篇、雍也篇より
5 任務は重く、道は遠い―述而篇、泰伯篇より
6 志は奪えない―子罕篇、先進篇、顔淵篇より
7 正直者とは―子路篇より
8 他人を批判する暇はない―憲問篇より
9 考えない者には教えられない―衛霊公篇より
10 有益な友だち、有害な友だち―季氏篇、陽貨篇、子張篇、堯曰篇より
著者等紹介
安冨歩[ヤストミアユム]
1963年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、東京大学東洋文化研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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