出版社内容情報
鉄塔の上に、男の子が座ってる――
鉄塔マニアの地味な伊達(だて)は中学3年生の夏休みをダラダラすごしていた。
しかし登校日の学校で、破天荒な同級生、帆月蒼唯(ほづきあおい)から「鉄塔のうえに男の子が座っている」と声をかけられる。
次の日から幽霊が見えると噂される比奈山(ひなやま)も巻き込み、鉄塔の上に座るという男の子の謎を解き明かそうとするのだが――。
爽やかに描かれるひと夏の青春鉄塔小説!!
内容説明
鉄塔オタクの僕は、中学三年生の夏休みをダラダラ過ごしていた。でも登校日に同級生の破天荒な女子、帆月蒼唯から「公園の横にある鉄塔って何か特別だったりする?」と尋ねられる。翌日気になった僕が公園に向かうと、幽霊が見える少年、比奈山優がいた。そこに帆月も現れる。三人で何のヘンテツもないその鉄塔、京北線94号鉄塔を見上げてみると―。爽やかに描かれる、ひと夏の青春鉄塔小説!!
著者等紹介
賽助[サイスケ]
東京都出身、埼玉県さいたま市育ち。玉川大学にて演劇を専攻。2014年、第1回本のサナギ賞優秀賞を受賞。翌年、受賞作である『はるなつふゆと七福神』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出版。和太鼓パフォーマンスグループ『暁天』所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Comit
50
Prime Reading~夏×青春×鉄塔!?=爽やかな読了感と、若さに溢れたひと夏の冒険譚✨解放的で、何でも出来そうな気持ちになる夏休み。一見無謀に見える彼らの行動、でも突き進めー😆😆なんとかなる~✨他の方の感想にもありますが、映像化するとすればアニメがいい感じがします。ファンタジックであり、ノスタルジックな作品です。鉄塔に名前があるなんて知らなかったなぁ(*´艸`)2022/06/11
ゆなほし
38
鉄塔。改めて見ると実に不思議な建造物だ。あまりに自然に風景に溶け込んでいるので普段見ることも無いが、確かにてっぺんに何かが、例えば着物の男の子がいたとしてもおかしくないかもしれない。ひと夏の大冒険というスペクタクルな派手さは無いが、主人公達が経験したこの不思議な出来事は、彼らの中では確かに大冒険だ。思春期特有の危うげな感情の描き方と、日常と非日常の境界の出し方、鉄塔という絶妙なキープレイスへのフォーカスの当て方が上手い。夏の陽射しをいっぱいに浴びて遊んだあの頃に戻れるような良い小説だった。2021/09/12
kana
34
制作者の細かい作り込みや世界設定までを丁寧に読み解きながら、全力で楽しんでいく著者のゲーム実況がとてもすてきだったので、きっと小説もすてきに違いないと思って読んでみたら、ほんとにその通りのいとおしさに溢れた作品でした。鉄塔に幽霊がいる?という不思議現象の謎を解き明かしていくのですが、少年が少女に出会い奮闘する夏休みを経て成長する、というベタな設定を活かし、鉄塔へのこだわり説明や最後まで本当のことはわからない、土地や物、人の持つ記憶にまつわる世界設定などが楽しく切なく懐かしく、一気読みするすてきさなのです。2022/02/05
夕焼け蝙蝠
22
小説1日1冊 8冊目 空飛ぶ自転車、心霊スポット、夏祭り。ファンタジーと夏が詰め込まれた作品だった(*´ω`*) 青春モノが好きな人にはこちらのマンガもおすすめ→https://note.com/ookoumori/n/n6aad39d6b1ce 2024/09/07
hippos
21
鉄塔マニアの物語かとおもったけれど、そこまで鉄塔にフォーカスしているわけじゃなかった。むしろ、ファンタジー色って感じかな。10代の夏、こんなこともあるかもね。2021/12/04