出版社内容情報
「イスラム国」の正体は、日々テレビでの報道を追っているだけでは根底まで理解することが難しい。その背景には、イスラム教そのものに対する理解と、現地にいる人にしかわからないリアリティを把握しておくことが欠かせないからだ。
本書は、中東に長く滞在し報道に携わってきた特派員である著者が、テレビで端折らざるを得なかった部分を詳しく解説しつつ、極力専門的な話や小難しい内容を排して、「イスラム国」とは何か、彼らは何を狙い、何を求め、これから日本にどう関わってくるのか、 またそもそもの根底である「イスラム教」とそれにまつわる世界とはいったい、どういうものなのかをエピソードを交えながら語った、画期的な一冊である。
「この本を書こうと思ったきっかけは、黒服面男「ジハーディ・ジョン」が映像で発した日本への警告だ・テロリストからこうもあからさまに敵と宣言されたのに、私たちは相手のことをあまりにも知らなすぎる」(本文より)
内容説明
私たちの暮らしはこの地域の石油や天然ガスといったエネルギー資源に頼っている。そうである以上、「イスラム国」にどう対処するのかは、今後、考え続けなくてはいけない大きなテーマになってしまった。たとえ「イスラム国」が消滅しても、イスラム世界と欧米世界との衝突を、もはや他人事とすることはできない。イスラムに無知のままでいることはできない。
目次
第1章 「イスラム国」を知るための「イスラム教」の世界(静寂を破った突然のメッセージ;「イスラム国」?「アイエス」?「ダーシッシュ」?;砂と宗教の世界 ほか)
第2章 「イスラム過激派」と「イスラム原理主義」(宗教対立が生んだ「イスラム国」の種;「アッラーフ・アクバル」;アフガニスタンに集った過激派と「アルカイダ」 ほか)
第3章 「イスラム国」の登場(第2都市の歓楽と「国家樹立」宣言;「カリフ」制復活;女性への残虐な扱い ほか)
第4章 最も成功しているテロ組織の実態(イスラム教徒に開かれた「国家」;「イスラム国」の統治指数…ム「イスラム国」を支えるサプライ・チェーン ほか)
第5章 「日本人人質事件」を追う(「殺害の現場に立ち会った」「身代金要求」映像の撮影;キリス・国境検問所 ほか)
第6章 交渉の舞台裏(同情と本音;ヨルダン人パイロットの映像;揺れるヨルダン ほか)
第7章 世界に広がる「イスラム国」の余波(乱立する「イスラム国」シンパ組織;テロの背景を見抜く;チェニス博物館襲撃の衝撃 ほか)
著者等紹介
荒木基[アラキモトイ]
1975年生まれ。大阪外国語大学アラビア語専攻卒業後、1998年全国朝日放送(現:テレビ朝日)入社。2002年から報道局外報部記者として勤務。その後、社会部記者として警視庁、都庁、国土交通省担当を歴任。2012年よりカイロ支局長としてエジプト・カイロを拠点に中東はもとよりアフリカ、ウクライナ等での取材を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
おらひらお
kuma san
Xy
ママ大王