内容説明
ネトウヨ、嫌韓嫌中、9条改正、ニッポン礼賛…この国は本当に「右」に傾いてしまったのか!?もやもやと社会をおおっている「右翼的価値観」の実体とその先にあるものとは?
目次
第1章 右傾化とはどういう現象をいうのか?
第2章 「右傾化」と「普通の国になるべきだ論」と「排外主義」は同じものか?
第3章 右傾化しているのはどういう人か?―ネット右翼は本当に低学歴・低所得・底辺層のモテナイ君か?
第4章 日本はなぜ右傾化するようになったのか?
第5章 日本の右傾化のリアル度数
第6章 右翼は社会変革できるのか?
第7章 現代ニッポンでもっとも危険なのは右翼ではなく激しく変化する「お任せ民主主義」
第8章 うつろいやすい世間の右傾化の裏で進むエリート達の右傾化にこそ気をつけよ!
最終章 右傾化はどこまで進むのか?
著者等紹介
中野雅至[ナカノマサシ]
神戸学院大学現代社会学部教授。昭和39年奈良県大和郡山市生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業後、大和郡山市役所に入所、在職中に国家公務員1種行政職に合格、平成2年旧労働省入省。旧厚生省課長補佐、新潟県総合政策部情報政策課長、厚生労働省大臣官房国際課課長補佐を経て、公募により兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科准教授を経て教授に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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藤萌のまったり本棚
感想・レビュー
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HANA
49
個人的に「ネトウヨ」という語を使う本は信用しないようにしている。「非国民」や「革命の敵」という語同様、見えない対象を無理矢理型に嵌めて良しとして思考停止しているから。ただこの本はそれらに比べて中立的。右傾化の原因を経済による閉塞感と断じているのは表層的だが、左派やマスコミの失墜に対するカウンターの分析の部分は面白く読めた。ただ著者の私怨も混じったような結論部分については同意しかねる事多し。蔑視する立場からみれば流される彼らは危険な存在かもしれないが、大衆というのはもっと世間知を備えていると思うから。2015/06/04
壱萬参仟縁
27
ナショナリズムとは自分の国に対する誇り、この国に生れて・育ってよかった思い(29頁)。今や、放射能に格差で果たしてどうなのかと痛感する毎日。右傾化は批判ばかりの左翼が国民から見捨てられたから(65頁~)。対案、代案、オルタナティヴが不可欠な批判が必要か。右傾化とは、右翼的考えが日本社会に徐々に浸透していること(74頁)。私は、ナショナリズムをサッカーW杯や五輪招致に見出したタイプの人。著者が奉職する大学の大学生は、日韓嫌いという(91頁)ので、森嶋通夫先生の東アジア共同体は画餅に帰すのか? 2015/02/04
軍縮地球市民shinshin
13
「右傾化」とはどのような意味か、それは本当なのか、だとしたら日本社会はどの程度進行しているのかを考察した本。ただ、「右傾化」の定義がそれまでの日本社会と比較して、というところが曲者だと思う。国際的には日本社会は「右傾化」していない。僕に言わせれば今までが「左傾化」しすぎていたのだ。戦後70年というのが、「特異」な環境に置かれていた社会ではないかと思う。ただこの本にはそういったことを抜きにしても問題点が多い。データを引用することなく、著者の主観で話を進めている。安易に書かれた本としか言いようがない。2016/04/27
takeapple
5
日本は完全に右傾社会であることを論証している。著者はご自分の立ち位置を保守で右翼であるとしているけれど、そういう人から見ても、現政権の横暴ぶりは目に余るようだ。確かに本当の右翼なら、日本国民の幸せを第一に考えるべきだもんねえ。2015/03/02
steve
2
確かに日本は右傾化している。国力が衰えているので、中国や韓国に対して上から目線で対処出来なくなって来たという理由は分かり易い。さらに右傾化することは避けられないということであるが、在徳会やネトウヨなどは困ったものだ。ところで、戦反思想ではなかった永遠の0に泣いて損したという下りは、まさにその通り。百田尚樹にはがっかりだ。2014/12/06