内容説明
テレビ番組などで、動物たちの生き生きとした姿を紹介してきた千石正一。自らがガンになり、死期と真っ正面から向き合うことであらためて、生きとし生けるものの愛おしさを語る。
目次
第1章 爬虫類研究者・千石正一が出来るまで
第2章 「千石センセイ」の誕生
第3章 「食べ物」とは「生き物」のことだ
第4章 千石式地球とつながる生き方
第5章 「いのち」、そして「死」について思う
付録 千葉県立船橋高等学校創立九十周年記念講演より
著者等紹介
千石正一[センゴクショウイチ]
1949年生まれ。財団法人自然環境研究センター研究主幹。世界各国をフィールドワークのため駆けめぐり、日本人ではもっとも多種類の爬虫両生類に接してきた。動物の世界を研究・紹介することに尽力し、自然環境保全の大切さを訴え、図鑑や学術論文などの幅広い執筆活動のかたわら、講演会やイベントの講師なども多数務めてきた。著書多数。テレビ番組の監修・出演でお茶の間の人気を博した。2012年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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紫綺
58
地球という「いのち」のことを真剣に考えている一人なんだな。初め、少々横柄な文体が気になったのだが、これがこの人なんだ、千石正一なんだと思ったら、彼の思いが心にスッと流れ込んできた。千石さんのミーム(意伝子)、私にも伝わったよ!!2012/08/05
kinkin
34
子供の頃から「生き物オタク」と自称する千石センセイ。彼がガンの冒された頃に書かれた本。爬虫類が専門になるまでの経緯や、生き物に対する考え方、見た目だけで判断してはいけないということがわかりやすく書かれていた。爬虫類や両生類を飼ってみてこの本を読むことが出来てよかったと思う。ただ、文章が断定的で少し荒い口調の思えたのは、センセイの話し方がそうだったのか、編集者の意志が込められているのか、気になったところもあった。2014/06/06
るい
3
前半は千石先生が動物を好きになった理由や、どんな仕事をしてきたか、が書かれていた。後半にいくにつれて、少ない余命で私たちに伝えようとしていることがわかった。千石先生からの『ミーム』を受け継がなければならない。理科とかかわっている私にとっては、勉強になった。とくに、学習はある一定のレベルを越えて考え始めるところから意味がでてくる、という部分に共感した。今やっている勉強が役に立たないと思っている人には、ぜひ読んでほしい。2013/02/16
1029
2
先日十二指腸癌で亡くなった千石先生の遺作です。 動物博物学者らしくマクロな視点で物事を捉える事ができる素敵な人でした。 「生き物が意味も無く絶滅してしまったり、人間のエゴで環境が破壊されたり、地球そのものが死んでしまう事態にはがまんがならないんだ。もっとみんないのちについて考えるべきなんだ。」 死期を悟った千石先生が生物多様性、ミームのこと、地球との関わり方など大切なメッセージを残してくれています。2012/04/15
たくのみ
1
爬虫類博士の千石先生の人生とスピリットが伝わってくる本。誤解を受けている、嫌われ者の代弁者というポリシー。死の寸前まで、後輩たちに生物と地球の素晴らしさを語りつづけた、ホントに熱い人だったのですね。エリマキトカゲ、動物番組、爬虫類ブームの仕掛け人だったり、「教科書を信じるな」という科学者の側面、感服しました。2012/06/12